こんにちは日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光での話題や最新情報、さらに日光自然博物館のイベント情報をカテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしてゆきます。
■本日の奥日光の状況 気温13℃(博物館9:00現在)
今回は、戦場ヶ原をリポートです。
今の時期、戦場ヶ原を白く飾る植物といえば・・・
そう!ズミの花とワタスゲの穂綿ですね。
まずはズミですが、
ご覧のとおり、ちょうど見頃を迎えています。
写真でお伝えできないのが残念ですが、辺り一帯には甘い香りも立ち込めています。
また、花ばかりに注目すると見落としがちですが、ズミは蕾のうちは真っ赤で、ほころぶにつれて色が淡く変わっていきます。
新緑も併せ、たくさんの色を楽しむことができるのも、今ならではです。
続いてワタスゲですが、
かなり綿毛が目立ってきました。
これからさらに数が増え、あと1週間から10日間程で、最盛期になると思われます。
新人の私にとっては、写真でしか見たことのない「白いじゅうたん」が今からとても楽しみです。
しかし、今回は悲しい光景も目にしました。
それがこれ、
人間の足跡です。
木道の下、湿原の中に残されていました。
湿原環境はとてもデリケートで、ミズゴケの下に隠れた「泥炭層」と呼ばれる部分は、毎年わずか1mmずつしか堆積しないと言われています。
もしそこを、うっかり10cm(=100mm)でも踏み込もうものなら、なんと100年分の自然を破壊してしまいます!
ラムサール条約登録地である戦場ヶ原や小田代原をはじめ、奥日光の自然は世界的に見ても貴重な自然です。
これからの時期、多くの方々にお越しいただき、奥日光の素晴らしさを体感していただけることは、私にとってもうれしいことです。
しかしそれは、あくまで自然が守られてこそ、なのです。
美しい自然をいつまでも守り続けていくため、木道からは絶対に降りないでくださいね。
(T-村)
■企画展情報
『奥日光の風景写真展』
平成25年4月3日~6月30日
奥日光の自然の魅力を巨大写真でご紹介!
詳しくは日光自然博物館ホームページをご覧ください。