こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光での話題や最新情報、さらに日光自然博物館のイベント情報をカテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしています。
■本日の奥日光の状況18℃(博物館8:30現在)
今回は戦場ヶ原より更に高い所にある、湯ノ湖を1周してきました。湯ノ湖は周囲が約3㎞で勾配も殆どない為、1時間くらいで歩く事が出来ます。気軽に散策を楽しみたい方にオススメしたいハイキングコースの一つです。
この日は晴れていて、湖畔に青空が映りとても綺麗でした。
いやぁ、絵になりますね涼しい風がとても心地良く、時間を忘れてしまう程です。
このように最高の景色を見ながら歩ける湯ノ湖ですが、お楽しみはそれだけではありません。それ程広くない場所ながらも多様な環境が凝縮しているので、色んな種類の生き物に会う事が出来ます。
水辺にはカワウやマガモが岩の上で休み、シオカラトンボ、コオニヤンマが飛んでいました。湖畔沿いの林では、様々な木が実をつけていました。(仲)も9/3に記事を書いていましたが、せっかくですので、違う種類の木の実を御紹介します。
ヒロハツリバナ。実が熟すにつれて星のような形に変わり、色も紅色となってとっても可愛らしいです。
ミヤママタタビ。青々としていますが、これでも熟した状態です。赤い実が目立ちがちですが、こんな実もあるんですね。
日向で足元を見れば、ノコンギクや
ミゾソバなどの花が咲いています。
草むらからは、ヒナバッタの仲間の鳴き声が聞こえてきました。少し掠れた音が、秋を感じさせてくれます。
そして、湯ノ湖を1周するコースの中には小さな湿原があります。今回はそこでは、食虫植物のモウセンゴケやツルコケモモの実など戦場ヶ原にある植物の姿を見る事ができました。
この様に「プチ戦場ヶ原」も楽しむ事が出来てしまうのです。贅沢ですね!
更に、ちょっと遠回りをして兎島を通れば、森の中も歩けます。木々に囲まれて、光は優しく木漏れ日が射す程度で一層涼しさが増します。
鳴き声もバッタからセミの声に変わり、雰囲気がガラっと変わります。
そんな様々な環境の中には、シャクナゲの群落などもあります。その中を歩いていると・・・
早速、この不思議な物体に近づいて触ってみると簡単にへこんでしまいました。どうやら、中身は空っぽのようです。
実じゃないのなら"虫こぶ"かな??
"虫こぶ"とは、虫が植物に寄生する事で出来た”こぶ”のような物を言います。色んな虫が色んな植物に寄生して、種類によって形や色が変わります。
形も色も桃そっくり!!正体が気になって散策終了後に調べてみました。
しかし、それらしい虫コブが中々見つかりません。そこで更に詳しく調べた所、虫ではなくカビなどが原因で起こる「餅病」という病気だと言う事が分かりました。
いろいろな環境を歩くと、面白い発見をするチャンスが増えます。そんな事を踏まえて、歩くコースを計画していただくと、色んな不思議と出会えてより一層散策が楽しんでいただけると思います。 (岩)
■企画展情報
『奥日光の動物展』
平成25年8月8日(木)~9月29日(日)
奥日光に暮らしている動物たちの貴重な剥製やなめし皮、頭骨などを展示しています。普段なかなか会えない野生の動物たちを近くでじっくり見る事が出来ます。また、実際に展示されている動物の毛皮を触る事が出来るコーナーもあります。
詳しくは日光自然博物館0288-55-0880までお問い合わせください。