こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光での話題や最新情報、さらに日光自然博物館のイベント情報をカテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしています。
■今朝の奥日光 0℃(博物館周辺 9:00現在)
スノーシューを履いて、光徳沼周辺を歩いてきました。
人の気配も足跡もほとんどなく、とても静かな森の中。
どこか春を感じさせるあたたかな日差しのもと、歩くのはとても気持ちがいい!
私は、今年に入ってから奥日光でスノーシューを始めたのですが、段々と雪質が変わってきたように感じました。
木の上に溜まる雪は、ふわふわと柔らかそうで、まるで甘いお菓子のよう。
この雪が落ちた時に聞こえるサラサラ、カラカラとした音にも癒されます。
自然の雪だるまとも言われる、雪まくりも多く見られました。
これは、雪が風や斜面を転がることでできるもの。
今までのようなサラサラの雪が少し変わってきたのは、暖かくなってきたからでしょうか。
静かな中にも生き物たちの姿はありました。
乾燥したズミの実を食べる冬鳥のシメ、
夢中になって木を突くコゲラの姿も。虫を食べているのでしょうか。
そして足元にも…
セッケイカワゲラなどの虫たちが、雪の上をせわしなく歩いています。
1匹発見すると、その周りにも何匹も歩いていたのに気付き、とても驚きました。
よく見ることで、いろんな姿が見えてきます。
逆川沿いでは、
ニホンジカがウラジロモミの樹皮を食べた跡もありました。
シカが増えている奥日光の、特に光徳周辺では、残念ながらよくみられる風景でもあります。
直径50cm以上もありますが、皮を一周食べられてしまったこの木はいずれ枯れてしまうでしょう。
失われるものもあれば、そこからつなぐ命と、自然界の命のつながりが感じられました。
雪のない時期では見ることのできない景色を、楽しむことができるスノーシュー。
これから暖かくなり、ゆっくりと歩くのに良い時期かもしれません。(こ)
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■企画展情報
“地域の記憶展”
日時:平成26年3月30日(日)まで
江戸時代末期から奥日光で宿泊業をしていた「六軒茶屋米屋 井上志郎」にスポットをあてつつ、風景画、漁具、林業道具、ヨットの旗など当時の奥日光を物語る様々な品を展示しています。
※「平日月曜日」と「祝日月曜日の翌日」は休館日です。ご注意ください。