日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2014.12.19
新・山の上からこんにちは vol.88

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

■今朝の奥日光 -8℃(博物館周辺 8:30 現在)

※この記事の写真は記事アップ日の4日前に撮影したものであり、最新の状況とは異なります。

奥日光は本格的な冬を迎えております。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

ここは中禅寺湖の南岸、狸窪(むじなくぼ)。今回はここから半月山を目指します。

登山道は全体的に5cmほどの積雪で、まだまだ地面が見えています。林内のササやぶも青々としてなんだか季節を忘れそう。

半月峠に到着!

すぐそばの平らな道を外れ、わざわざ(?)急斜面を横切るニホンジカと思しき足跡。人間にとっては危なくても、シカにとっては平らな道を歩くくらいにへっちゃらなことなのかも。

実はこの狸窪―半月峠間、昔は日光と足尾をつなぐ街道の一部だったことをご存知でしょうか。1920(大正9)年に開かれ、足尾銅山の見学者など大勢の人がここを行き来していたといいます(※1)。その後、1936(昭和11)年に細尾峠を越える自動車道が整備されたことで利用者は激減し、街道としての役目をほぼ終えました。
※1 ・・・ 『栃木県大百科事典』

今でこそ登山道として一般的になっていますが、道の1本にもこうした歴史があり、在りし日の様子を思い浮かべながら歩くと・・・。

巡り変わっていく人間の歴史と、変わることなく眼前に広がる自然の姿が対比されて、自分が悠久の時間のただ1点に立っていることを否応なしに自覚させられます。

峠から山頂までの間には半月山展望台があります。夏や紅葉の時期は近くまでバスが走っていますので、この景色を見たことのある方も多いのではないでしょうか。風が強くて寒いですが、空と湖の青の濃淡が最高です。

そしていよいよ山頂へ!ノウサギやテン、ネズミなど、足跡がそこらじゅうを走り回っています。寒さも食料も厳しいこの季節に彼らが駆け回っている姿を想像すると、私にも力が湧いてくるようです。

その後はピストンで狸窪へ戻りです。色々な視点を持って歩くと、今まで感じなかったことに気づくことができてとても充実した山歩きになりました。

奥日光は日に日に雪が深くなっております。山に入る際は十分に下調べをして計画的にお願いします。この日もストックと念のため軽アイゼンを持って行きました。(あき)


■イベント情報
①1月24日(土)『ちびっこスノーシュー!2015』集まれちびっこたち!たっぷりの雪の世界へ、スノーシューを履いてさあ飛びだそう!  

②1月31日(土)『親子で雪の運動会2015』雪の世界で大はしゃぎ!走って、転んで笑顔がいっぱい!

③2月1(日),14,28(土)『スノーシューで雪の森へ!2015』自然解説員と一緒に、ネイチャーウォッチングや雪遊びを楽しもう!!

④2月7日(土)『カマクラをつくろう!』

⑤2月21日(土)『スノーシューで雪の森へ ~アニマルトラッキング・スペシャル!~』静かな静かな雪の森、動物たちのくらしをのぞいてみよう!

■企画展情報
『地域の記憶展~「先生」とよばれた二人の写真屋~』
平成26年12月2日(火)~平成27年3月29日(日)
中禅寺湖畔の歴史の紹介に加え、貴重なカメラなども展示しています。

■館内イベント情報
『冬のクラフト工房』OPEN!!
松ぼっくりや自然石を使ったクラフト体験を、入館料のみでお楽しみいただけます。

■新年の特別開館 ご案内
平成27年1月2日(金)、3日(土)
博物館入館料が割引価格!(大人510→400円 小人250→200円)更に暖かい飲み物をサービス致します!
今年のお正月は日光自然博物館へ♪♪