こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の
イベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
■ 今朝の奥日光は9℃ (博物館周辺 8:00時点)
そろそろ紅葉情報か・・・と期待してくださる方もいらっしゃるかと思いますが、
今年は天候不順と高めの気温のせいで、草紅葉も樹木の紅葉もいまいち。
まだ「色づき始め」といった感触です。
そこで、今回は趣向を変え、日光市街にほど近い鳴虫山(なきむしやま)へ、秋を探しにいってきました。
(途中にある神ノ主山(こうのすやま)からの眺め。眼下には日光市の街並みが広がっています)
いろは坂をくだり、日光公民館の近くにある登山口からスタート。
電車やバスで簡単にアクセスできるのが大きなポイントかと思います。
登山口を入ってすぐから、道のあちこちにクリのイガや実がたくさん落ちていました。
おいしそうですが、残念ながら鳴虫山も国立公園の敷地内ですので、ここではクリ拾いはできません。
そのまま進んでいくと、登り始めて1時間ほどのところに、クリのイガが不自然にたくさん集まって落ちているのを見つけました。
すぐ近くには、大きな枝がつけ根から折れて落ちていました。
なぜだろうと不思議に思って近くにあったクリの木を観察すると、手掛かりが残されていました。
幹には、全体の幅が10cmを越える4本の爪痕が。
そして木のてっぺん近くには、折られた枝が積み重なった、クマ棚が。
そう、ツキノワグマが木に登り、上で食事をした跡です。
ちなみに、この「クマ棚」というのは、クマが枝先の実を食べるために枝を折り、それが木の上に引っかかってできたものを、そう呼んでいます。
今回の取材だけで、4ヶ所のクマ棚を発見することができました。
冬に備えて、木の実を食いだめしているのでしょうか。
一生懸命食べている姿が目に浮かびました。
今回はそれだけでなく、
大きなニシキヘビが他の動物を締め上げているかのような、ぐるぐる巻きを発見。
思わず「何これ!?」と声が出てしまいました。
このニシキヘビ、よく見てみると、藤棚でおなじみのフジの大木でした。
フジのようなツル植物は、他の植物などに巻きついて上へ伸びていきます。
巻きつかれた植物よりも上で葉を開いている姿を見ると、植物のしたたかさとずる賢さには舌を巻きます。
今回はじめて鳴虫山に登りましたが、市街地のすぐ近く、それこそ車のエンジン音が聞こえるくらい近くで
こうやって生きものの営みを感じられるというのは、なんだか不思議でした。
人間が自然の中にお邪魔して暮らしていることを、改めて感じました。(山)
■ 自然体験イベント情報
★「紅葉と歴史感じる湖畔さんぽ」 平成28年10月16日(日) 〈10月10日(月)締切〉
地元の歴史研究家だから語れる話がある!紅葉も歴史も、知りたい気持ち大満足♪
★「奥日光星ふる夕べ」 平成28年11月 6日(日) 〈当日16:30時まで電話受付〉
中禅寺湖畔で星空観察。まったり過ごす秋の夜?
■ 企画展情報
◆ 「あいらぶ写真展」 平成28年9月10日(土)~11月20日(日)
県内のプロ・アマ写真家の方々による写真展です。
◆ 「秋のポスター展」 平成28年9月10日(土)~11月20日(日)
B1(728×1030mm)の大型ポスター約20点で、奥日光各地の美しい紅葉をご紹介します。