こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館の
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■ 今朝の奥日光は 3℃ (博物館周辺 8:00時点)
日光の紅葉前線は奥日光をはるか通り過ぎ、東照宮や市内まで下がっています。
特に、今回の取材日には、強風と風花
(かざはな:風に舞う細かな雪のこと。いわゆる「ふっかけ」ですが、これは栃木の言葉だそうです)
に見舞われ、かなり寒い天気となりました。
そこで、冬を先取りしようと、赤沼から小田代歩道を通り、小田代原へのルートを歩いてきました。
(時おり日が差すのに、ふっかけのおかげで小田代原では視界が白くけぶっていました・・・)
道には雪がうっすら積もり、道の脇の柔らかい土には霜が降りていました。
霜柱を見ると踏んでみずにはいられない! 思わず軽く踏んでみたり、手に取って眺めたり。
さくさくと足元でくずれる感触が楽しく、霜柱の上を駆け回りたくなってしまいます。
さらに、よくよく見てみると、きれいに直立する柱の形をしているのも分かるでしょうか。
ところで、今回見つけた霜は高さ約2cmほど。
もっと寒くなれば、もっと高さ(全体の大きさ)も成長していくのかな・・・? 楽しみがひとつ増えました。
雪や霜に関連することでいえば、道の途中でこんな不思議なものに出会うことが出来ました。
柵とロープの影にご注目ください。
・・・・・・日陰の先にも、ロープの跡が続いている・・・!?
日なたと日陰のタイミングを狙って比較をしてみると、この通り。
こわごわ2種類の地面をさわり比べてみると、固さと温度が若干違うようでした。
おそらく、
柵の影(土が白っぽい) → 地面が凍りっぱなし
影でない(土が黒っぽい) → 凍った地面が日射で溶けた
という差だったのではないかと思います。
今回は強風のおかげでとても寒く、ちょっとした日差しくらいでは体感としては暖かさが分からなかったのですが、
やはり太陽光は偉大だと改めて実感しました。
さらに進んでいくと、道端でどきっとするものも見つけてしまいました。
冬にやってくる鳥、ツグミのオスの死体でした。
オスは翼や背中に鮮やかなオレンジの模様があるため、草むらでも目を引きました。
こんなに近くでこんなに美しいものを見られて嬉しい反面、
なんだか見つけてはいけないものを見てしまったような、不思議な緊張に襲われました。
首元の大きなケガを見ると、何者かに襲われて、これから食べられるところだったのかもしれません。
おそるおそるお腹に触れてみると、じんわりと温かさが伝わってきました。
このツグミもついさっきまで飛び回ったり餌を探していたりしたのかと思うと、ちょっと切なくなってしまいました。
しかし、冬が深まるにつれ、生きものたちの餌は減っていきますので、
あのツグミは他の生きものたちにとっては降って湧いたご馳走になったのではないかと思います。
冬という季節は生きものたちの関わり合いをより強く感じられると、今回の取材で知ることが出来ました。(山)
■ 自然体験イベント情報
★ 「オオワシ・オジロワシをさがそう2016 ~千手ヶ浜編~」 平成28年11月23日(水・祝) 〈11月22日(火)16時 締切〉
★ 「オオワシ・オジロワシをさがそう2016 ~ボートハウス編~」 平成28年12月10日(土) 〈12月9日(日)16時 締切〉
冬の中禅寺湖に渡来するオオワシ、オジロワシを探しつつ色々な野鳥を楽しんじゃう初心者大歓迎のバードウオッチングイベントです。
■ 企画展情報
◆ 「あいらぶ写真展」 平成28年9月10日(土)~11月20日(日)
県内のプロ・アマ写真家の方々による写真展です。
◆ 「秋のポスター展」 平成28年9月10日(土)~11月20日(日)
B1(728×1030mm)の大型ポスター約20点で、奥日光各地の美しい紅葉をご紹介します。