こんにちは、日光自然博物館です。
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
■ 今朝の奥日光は -1℃ (博物館周辺 8:00時点)
今回はこの冬、まだ体験できていないこと、見つけられていないあるものを探しに戦場ヶ原へ行ってきました。
まだ体験できていないもの、それは奥日光の冬の厳しさを直に感じることのできる自然現象、地吹雪です。
取材をした日はたまに強い風が吹く程度のため、この時期野生動物が日常的に体感している、
運ばれた雪が絶えず体に叩きつけられ、目も開けていられない、という感覚は体験できませんでした。
しかし、風が発生し、前日に降った雪を舞い上げるところから、
白い風となって目に見える形で近づいてくる光景、風に飲まれる感覚を体験することができました。
肌を刺す風が通り過ぎると少し安心した気持ちになり、もしかしたら野生動物たちもこんな気持ちかな、
と思うと生き物たちが身近に感じられました。
見つけられていないあるものは、サルの食痕です。この時期、食べ物が不足するため、サルは木の皮などを多く食べます。
木の皮と言っても、太い木のものではなく、細い枝の皮を食べます。散策中は良く、食べ荒らされた小枝の残骸やフンを
観察することができます。今回は比較的新しい痕跡を見つけることができました。
細い枝を丁寧に少しずつかじった歯形がくっきり残った枝が数えきれないほどたくさん地面に落ちていましたが、
周囲に足跡が少なかったことから、1 匹で食事をしたのだと思います。
人間は季節に関係なく、好きなものを好きな時期にお腹いっぱい食べることができますが、
野生の生きものは季節に応じた限られた食べ物を探し歩き、食べて、また探し、と生活しています。
このサルも探し歩いた結果、食べ物を食べることができたのだと思うと、
好き嫌いや食べ物ものを粗末にしてしまわない生活をしなければな、と考えさせられました。
(Rin)
■ イベント情報
★「感じて学ぼう!奥日光のいきものつながり」 平成29年3月12日(日) 〈本日(3/10)締切〉
生物多様性(いきものつながり)って? 森の中を歩いて感じてレクチャーでもっと学んじゃおう !
■ 企画展情報
★「大正・昭和の晃山旅情~湖畔の宿の記憶~」 平成29年2月18日(土)~4月23日(日) (休館日を除く)
激動の大正・昭和時代、多くの来訪者の心に残った思い出の宿を中心に、奥日光の記憶をご紹介します