日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2017.06.16
新・山の上からこんにちはvol.215

こんにちは、日光自然博物館です。

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

■ 今朝の奥日光は 13℃(博物館周辺 8:00時点)

 

先月末にはじりじり照りつける日差しに暑さすら感じましたが、ここ1、2週間は気温も低く、天気もやや不安定です。
花の咲き進み具合もゆっくりになるような肌寒い日が続いています。

 

 (イタリア大使館別荘記念公園の浜辺から望む男体山。青空はきれいですが、低い雲がちょっと心配)

 

今回は中禅寺湖南岸、歌ヶ浜~狸窪(むじなくぼ)までのコース。
1ヶ月ほど前にこの辺りを歩いた時に聞こえた、カジカガエルの合唱を求めて行きました。

美しい鳴き声で有名なカジカガエル。鳥のさえずりとも間違えてしまいそうな、「フィフィフィフィ」と高く澄んだ声が特徴です。

……が、今回はあまり聞こえませんでした。

カエルが鳴くのには気温や水温、湿度が関係していると聞きますが、寒さでお嫁さん探しを中断していたのかもしれません。カジカガエルのシーズンは夏まで続きますので、次に期待したいです。

でもその代わりに、こんな虫の大合唱が聞こえていました。

 

 

春に羽化する高地性のセミ、エゾハルゼミです。
奥日光では5月下旬から鳴き始めていました。

色んなセミに共通するのですが、今回、セミのおもしろい能力を再確認できました。

・突然鳴き止んだと思ったら、次の瞬間大粒の雨が降ってきた
・10分くらい後に日が差してきたと思ったら、また一斉に鳴き始めた

さながら「気象予報士」ではないでしょうか?

自然界の生きものが天候に敏感なのは当然ではあるのですが、今回改めてその鋭さに舌を巻きました。

 

 

そんなエゾハルゼミの声をBGMに、狸窪に到着!

 

 

浜辺の林の中には、鈴なりの、白と紅色の小さな花が可愛らしい、サラサドウダンが見頃を迎えていました。
蜜や花粉を求めて、ハナアブやミツバチなどたくさんの虫が集まっていました。

お花に夢中な虫たちの中には、こんな子の姿も……!?

 

 

お花に頭を突っ込んでお食事中のキイロスズメバチ……!
凶暴そうな怖い顔と大きく強い顎を持つスズメバチには、ギャングに近いイメージを持っていたので、こんな草食系な姿はなんだか微笑ましかったです。

そっとシャッターを切りまくる私を、まったく気にする様子もなかったので、この子が飛び去ってしまうまで、2,3分ほどずっと追いかけて見入ってしまいました。

 

ハチ、特に攻撃的だと有名なスズメバチは、怖い!と思う方が多いでしょうか。

でも、スズメバチたちも、子育てをする時期(秋頃)以外はあまり攻撃的ではないので、追い払うなど刺激しなければそこまで危険ではありません。
むしろ、じっくり観察するチャンスかも!?

今回はそのチャンスを生かしてじっくり観察してみましたが、スズメバチのいかつい顔に似合わず草食系なところが発見できて、じっくり観察の大切さと楽しさを改めて実感できました!(山)

 

◆ 観察会情報 ◆

★「戦場ヶ原花ハイキング(プレDCイベント)
  平成29年6月25日(日)午前の部10:00~12:00/午後の部13:30~15:30 〈当日受付〉
  ワタスゲをはじめとした初夏の花々を楽しむ、お手軽ハイキングです♪

★「ネイチャートレッキング in 社山(第2回「山の日」記念全国大会連携イベント)
  平成29年8月11日(金・祝)8:00~15:40 〈〆切:7月23日(日)〉
  絶景広がる尾根を歩こう! なんたって今日は山の日!

 

◆ 企画展情報 

★「武田久吉展~日光の山々で躍動した若き日々~
  平成29年4月29日(土)~7月9日(日)
  登山家・植物学者であり「尾瀬の父」と呼ばれた武田博士。その原点となった少年時代の日光との関わりを紐解きます

★「干支展 奥日光の野鳥たち
  平成29年5月20日(土)~7月9日(日)
  トリ展再び!!この企画展で、野鳥の世界にどっぷりはまっちゃうこと、まちがいなし!?
 (リンク先は昨年末~今年始めに開催していた期間の紹介記事です)

★「植物画展」 in 中禅寺湖畔ボートハウス
  平成29年4月29日(土)~7月9日(日)
  「花遊びの会」のみなさまが描かれた力作の数々、ぜひご覧ください