こんにちは、日光自然博物館です。
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今回は、赤沼から戦場ヶ原を通り抜け、小田代原を周回してきました。
帰り道は『楽して風景を楽しんじゃおう!』ということで、低公害バスを利用して赤沼まで戻るルートを選択しました。
取材日はあいにくの雨模様。
ここ数日も曇り~雨が多いのですが、中禅寺湖の水位が低い・華厳滝の迫力がイマイチ……など、山の水が不足しているので、しとしと降り続く雨は『恵みの雨』と言えそうです。
まずは戦場ヶ原の様子から!
赤沼から湯川沿いの木道を歩いていくと、しばらく林が続きます。
カーブを曲がると、突然ぱっと視界が開けて、ホザキシモツケが出迎えてくれました!
見渡す限り、濃淡様々なピンク色の、ホザキシモツケのお花畑!
まだつぼみの花序も多いですが、見頃と言って差し支えないほど見事です。
思わず「おおっ!」と感嘆のため息がもれてしまいました。
視線を足元に向けると、ヒメシジミたちに大人気のホザキシモツケがあったり、体中に花粉をくっつけたミツバチがノアザミの蜜に夢中だったり。
花も虫も生き生きと活動的な季節。いつまでも眺めていたくなってしまいました。
続いて、小田代原!
ノアザミが「私を見て!」と言わんばかりに、紫色の花をたくさん咲かせていました。(ごめんなさい、写真だとかなり分かりにくいかも……奥の方まで紫の帯が広がっています)
イブキトラノオやカラマツソウの白、クルマユリのオレンジなどカラフルで、目移りしてしまいます。
夏の花々が勢いづいていますが、湿原や草原の草花だけではなく、たまには木にも目を向けると、新しい発見があるかもしれません。
例えばこれ。
木道にせり出したミヤマザクラの幹に、ゼリー状の塊がついているのを発見しました。
サクラの樹液には特に害はないと聞いていたので、手に取って匂いをかいだり、舐めたりしてみました。……が、無味無臭でした。
他の、例えばモミの仲間は、松ヤニと呼ばれるベタベタした樹液で、爽やかな森の香りがしますが、匂いに似合わず苦いんです。そんなギャップがあるかなと期待していたので、ちょっぴり残念でした。
この樹液、そのうち硬く固まりますが、その塊で虫や動物がかじった痕をふさいで、『かさぶた』の役割をすると言われています。
今回のサクラは、コスカシバという蛾の幼虫が幹を食べたために樹液がこぼれ出していたようです。
「やられっぱなしじゃないぞ!」という植物の意地が感じられて、わくわくしたと共に、改めて植物の強さ(つよさ/したたかさ)を実感できた取材となりました。(山)
◆ 観察会情報 ◆
☆「戦場ヶ原ガイドウォーク」
平成29年8月の毎土・日曜 10:00~/13:00~各1時間〈当日現地受付〉
自然解説員とあんな発見、こんな体験してみませんか!?
★「中禅寺湖畔ナイトハイキング2017」
平成29年8月4、11、18、25日(金)19:45~21:15〈〆切:各回当日16時〉
湖畔の夜の世界と生きものたちに出会いに行きましょう!!
★「戦場ヶ原ナイトハイキング2017」
平成29年8月5、12、19、26日(土)19:45~21:15〈〆切:各回当日16時〉
真っ暗闇でしかわからないことがある!?夜の戦場ヶ原へ集合!!
◆ 企画展情報 ◆
★「昆虫展 奥日光最強の能力者たち」
平成29年7月15日(土)~9月3日(日)
昆虫、それは最強の能力者!!彼らのスーパーパワーに、「すごい!!」の連発!?