奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
■ 今朝の奥日光の天気は晴れ、気温は16℃(博物館周辺 8:00時点)
晴天時にハイキングをすると汗をかくようになり、奥日光も夏らしくなってきたかなと思ったら、ここ数日は曇り+小雨という、梅雨入りという文字が脳裏にちらつく天気が続いています。
そんなビミョーな天気でも、今回のコースはあまり負荷なく歩けます。
歌ヶ浜駐車場に車を停めて、湖畔沿いをイタリア・英国大使館別荘記念公園方面へ歩くコース。
道の脇に生えている木々が枝を伸ばしてアーチを作ってくれているおかげで、雨もしのげますし、
しばらく舗装された道が続いているので、どなたでも歩きやすいかと思います。
そんな道でも、歩いていくと、実に様々な生きものが出迎えてくれました。
満開のミヤマガマズミ。
クリの花に近い独特のにおいがしますが、あたりに漂っていた(=空気中で薄められた)香りは、ジャスミンなどのかぐわしい花の香りに近かったです。
全長10cmもあるケムシの大群がお出迎え!?
いえいえ。ヤナギの実です。風に乗せて綿毛で種を飛ばしたあとのようでした。
でも、葉っぱに乗っている様子は、まるでホンモノのケムシみたいではありませんか? 私は一瞬ドキッとしました。
名前の通りのツリバナ。
秋になると真っ赤で真ん丸な実をつけるので、とてもキレイで目立ちます。でも控えめな花も素敵。
イタリア大使館別荘記念公園の手前の橋から、ちょっと右手を見てみると。
ミヤママタタビの葉が白くなり、開花がもうじきだということを虫に教えてくれていました。
開花の頃には、葉の先がここからさらに赤くなっていきます。
キョロキョロしながら耳もすませてみると、「フィーイ、フィーイ」「フィフィフィフィ……」と高く澄んだカジカガエルの声や、森中に響き渡ってうるさいくらいの、エゾハルゼミの大合唱も聞こえてきました。
この日は途中から雨が降ってきましたが、すると不思議。
カジカガエルの声は、控えめなささやきから一転、ちょっと自信をつけたような大きめの声に。
逆にエゾハルゼミは、ピタッと鳴き止んでしまいました。
温度や湿度などを感知しているようですが、そのセンサーの感度の良さは舌を巻きます。
そのまま進んでいくこと、歌ヶ浜駐車場から徒歩40分ほど、イタリア大使館別荘記念公園からは25分ほど。
狸窪という場所が、このコースでの私のお気に入りです。
意外とここを陣取っている人は少なく、他の誰かと会うことがほとんどないので、プライベートビーチにいるようなゆったりした時間を過ごせました。
そして今スペシャルなのが、ドウダンツツジの仲間である、サラサドウダンの花。
鈴なりに開いた花々には、マルハナバチなどのミツバチをはじめとしたたくさんの虫たちがせわしなく飛び回って、夢中で頭を突っ込んでいました。
今回のコースは、大使館別荘へ向かう道がほとんどですが、ちょっと目を向けてみたら、たくさんの美しい自然、生きものに出会えました。だからこそ、アーネスト・サトウなどの外国人たちが別荘を建てたんだ、と実感できました。
今は各大使館別荘のみを目的としたお客様が沢山いらっしゃいますが、その道すがら、すぐ傍らにある自然にも目を向けて楽しんでいただければと思います。(山)
◆ イベント情報 ◆
「本物の出会い」デスティネーションキャンペーン期間 開催予定イベント
(イベント名をクリックするとイベントページへ飛びます)
平成30年5月5日~6月30日(土) 18:30~20:00 【事前申込制・前日15:00〆切】
平成30年6月10,24日(日) 10:00~12:00/13:30~15:30 【当日受付】
◆ 企画展情報 ◆
★ 「干支展 “イヌ”に関するエトセトラ」
平成30年4月28日(土)~平成30年7月8日(日)
ご好評をいただいた干支展の再展示。イヌの仲間を取り上げた解説、民芸品のご紹介などイヌづくし!