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本日の奥日光の天気は曇り、気温は9℃。
朝晩はもちろんのこと、日中でも10℃を下回るような寒い日が続きます。おかげで、標高の高いところからどんどん紅葉が進んでいます。
奥日光のアクセス簡単な場所の中で、最も標高の高い金精トンネル付近(標高1,850m)はバッチリ見頃!
湯ノ湖あたりもかなり色づきが進んできています。(昨日のブログ参照)
紅葉の見頃前線は、標高1,800mあたりにいて、これからどんどん降りてくるという印象ですが、標高とは関係なく紅葉が進む場所もあります。
例えば、山頂の冷たい空気が滑り降りて溜まる「窪地」。この窪地が大きければ、夜間に地表の熱が上空へ逃げてしまい(放射冷却と呼ばれます)、冷えやすいため、同じ標高の場所よりも早く色付きます。
この窪地として奥日光で有名なのは、戦場ヶ原と小田代原です。
他にも、そうやって溜まった戦場ヶ原の冷気が湯川の流れに沿って流れ、落ち込む、「竜頭滝」。この滝壺は中禅寺湖とそう変わらない標高ですが、一足先に見頃を迎えます。(昨日のブログ参照)
前者の「窪地」には、戦場ヶ原・小田代原以外にもう一つ、「涸沼」という場所があります。三岳を回り込み湯元~光徳へ抜けるハイキングコース途中で、川俣温泉へ繋がる山王林道からも簡単にアクセスできます。
涸沼自体は1,600m程度とそこまで高い場所ではなく、見頃前線もまだ到達していない標高ですが、窪地の原則にならうとそろそろかなと思い、先一昨日の6日(火)に足を運んできました。
山王林道の駐車場所から10分ほど道路沿いを歩き、約100mの高低差がある階段を下ります。
階段途中のカエデ類、ナナカマドなど、真っ赤になっていてもおかしくないのですが……
木立の隙間から涸沼が見えました!ただ、その向こうの斜面(於呂具羅山)も、まだ緑。
今年はここの紅葉も遅めなのかな、時期を外してしまったか、とちょっぴり残念な気持ちで階段を下り終え、ふと振り返ると。
おおお!
下ってきた斜面、山王帽子山は、見事で見頃!常緑樹の濃い緑のベースに、カエデの紫~オレンジ、黄色が映えます。
この差は何なのだろう、と思って双眼鏡で覗いてみました。
イマイチだった於呂具羅山は、モミなどの常緑樹の割合が高く、色付きがまだ、あるいは枯れてしまったダケカンバが多め。
見事だった山王帽子山は、常緑樹は少なめで、日の当たる箇所からどんどん色付きの進むカエデ類など、落葉広葉樹が多め。
斜面を構成する樹種(植物の層、植生とも呼びます)と、木による紅葉の進み具合の違いで、ほとんど同じ場所なのに異なる景観が生まれます。これ以外にも周辺の地形、構造物など、単に標高差だけでは語りきれないのが「奥日光の紅葉」です。
こんな背景、仕組みを知れば、自然をより深く理解して楽しめますよ!(山)
【追記】
例によって、今回録画した動画をYouTubeにアップしました。ご視聴のほどよろしくお願いします!いいね、コメントなども大歓迎です。
☆☆低公害バス情報☆☆
9/26~11/8の土日祝の期間、小田代原からの日の出をご覧いただける早朝からの低公害バスを運行しております。また、10/11までの土日には、早朝便のダイヤを千手ヶ浜での「光の道」をご覧いただける時刻設定に変更して運行中です。
詳しくはおしらせページをご覧ください。
https://www.nikko-nsm.co.jp/news_d.html?0:182
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弊社では現在、いわゆる“三密”発生の防止として定員を少人数に絞ったツアーを多数企画しています。
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2020年9月5日(土)~11月15日(日)
ハイキング、ただ歩くだけではもったいない!見る、聞く、かぐ・・・自然とのふれあい方・楽しみ方をお伝えします。