奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の奥日光の天気は晴れ、気温は4℃(8:30時点)
日中でも気温は2桁に届かず、早朝には氷点下の日も多くなってきました。晴れ間にいわゆる「ふっかけ」が降る日も。
木の葉もほとんど落ちて、奥日光の紅葉シーズンはすっかり終わりとなりましたが、特に戦場ヶ原周辺だとまだまだ真っ赤!な木が多いんです。
正体はズミの実。今年はリンゴの仲間であるズミが10年に1度と言っても良いほどの当たり年でたくさんの花をつけました。
小指の爪ほどの小さな赤い実もたわわに実っており、遠目でも「あれはズミの木だな」と分かるほど。
テンやキツネ、野鳥たちにとっては大切な食糧で、ズミ林は大人気の食事処です。特に1ヶ月ほど前から渡来し始めた冬鳥たちも賑やかに鳴き交わしながらついばんでいます。
期待できるのは、アトリ、ツグミ、ツグミの群れに混じるアカハラやマミチャジナイなどの野鳥たち。
観察にオススメなのは小田代原です。今月末まで運行している低公害バスで赤沼から10分程度とアクセスも簡単ですよ。
一周1時間ほどの遊歩道を眺めの良い西側から回るのが定番コースですが、今回はバス停から道路沿い約700mの道程を野鳥観察だけで丸々2時間も楽しんできました。
ただ、赤沼あたりでは粉雪やふっかけが続くことも多く、道はこんな感じ。晴れてはいましたが2℃までしか上がらず、日陰はとても寒かったです。
でも寒さを吹き飛ばす面白い出会いがいくつもありました。
ひとつは、アオゲラ。奥日光では最も体が大きく、レア度も高いキツツキです。
しがみついたズミの細い枝がたわんで仰向けになり、折れるか落ちるかの危ういバランスにも見えましたが、本鳥は気にした様子もありません。木の幹に難なくしがみつける力強い脚を利用した、上手ですがちょっとお行儀の悪い食事現場でした。
(車で低公害バス路線を通過するときに見えたので写真撮影もじっくり観察もできなかった…無念…)
そして、ツグミたち。期待した通り、20羽以上の大きな群れにも出会いました。
この群れ、団体行動がなかなか上手く、人間が近付くなど異常を察した1羽が一声鳴くと、全員が順に避難して様子を伺い、しばらくするとまたエサを食べに降りてきて…と統率がとれていました。
群れの中には、近い仲間であるアカハラやマミチャジナイ(写真)が混ざっていることもあります。
個々の行動に注目するのも面白いですよ。道路際にいた1羽をじっと見ていたら、私を警戒しつつも美味しそうに実をついばみ、糞をし、カメラを構えて動かない私に慣れたのか呟くようなぐぜり鳴きを始めるなど色んな姿を見せてくれました。
色んな姿を見られる・見せてくれるのも、2時間かけて往復1kmちょいの短距離で、じっっっくりと野鳥観察をする醍醐味です。
(至近距離で私を警戒するツグミ、の図)
バードウォッチングは、やる気と双眼鏡さえあれば、庭先や近所の公園でもすぐに始められるお手軽な趣味ですが、これから始める方、すでに玄人の方、皆さんにご注意いただきたいことが。
観察に夢中になるあまり道を塞いでしまったり、立入禁止の場所に入り込んでしまったり、歩道の外に三脚を立てたりと、残念ながらマナーが悪く、自然へのダメージ、他人への迷惑をかける方も、実はこの時期けっこう目立つんです。
マナーを守ってバードウォッチングをお楽しみくださいね。(山)
追記(2020.11.21)
遅ればせながらYouTube動画のご案内です。じぃ~~っと観察すると仕草がカワイイ!な野鳥たちにメロメロになってください。
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弊社では現在、いわゆる“三密”発生の防止として定員を少人数に絞ったツアーを多数企画しています。
いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。
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2020年9月5日(土)~12月上旬(期間延長)
ハイキング、ただ歩くだけではもったいない!見る、聞く、かぐ・・・自然とのふれあい方・楽しみ方をお伝えします。
▼△▼地域の催事情報▼△▼
2020年11月14日(土)~11月23日(月祝)
昨年の「華厳ノ滝ライトアップ」が帰ってきました。今回はそれに加えて、明智平ロープウェイや中禅寺湖遊覧船の夜間営業(期日限定)、イタリア大使館別荘記念公園・英国大使館別荘記念公園のライトアップ、各拠点での出店も多数!
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