日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2020.12.11
新・山の上からこんにちはvol.394

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

 

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今朝の奥日光の天気は晴れ、気温は2℃(8:00時点)

天気の良い日が続き、例年よりも暖かなこの頃ですが、奥日光の冬らしい冷たい風が吹いたり、朝方はいろは坂周辺で路面凍結なども起き始めてきました。

スタッドレスタイヤや防寒着など、いよいよ冬の準備の私たちですが、周りの木々たちにとっては、来春に備え開花の準備を始めている時期でもあります。

例えば5月頃から花の見ごろを迎えるアズマシャクナゲ。開花まで半年近くあるこの時期から既につぼみが付いています。

(開花時期の湯ノ湖の様子)

奥日光各地でご覧いただけるアズマシャクナゲですが、湯ノ湖周辺や中禅寺湖南岸・千手ヶ浜寄りの一画には群生地があり、シーズンには多くの人で賑わう人気スポットでもあります。

そのほか、中禅寺湖南岸からさらに南には黒檜岳への登山道があり、その登山道沿いにもアズマシャクナゲの群生地があるとのこと。

今回は黒檜岳へ研修を兼ねて登り、アズマシャクナゲの群生地を確認してきました。

 

黒檜岳は中禅寺湖の南西、千手ヶ浜の後ろに位置する標高1976mの山です。頂上までは往復で6時間程度かかり、しっかりとした装備で臨む必要があります。そんな黒檜岳ですが、アズマシャクナゲの群生地までは1時間程度で到達することが出来ます。

群生地の様子

登山道の左右いっぱいに石楠花の木が広がり、まるで石楠花の森の中を潜っているかのよう。

枝先にはつぼみが付いています。5月頃にはこのつぼみたちが開花し、ピンク色の道を作り出してくれることでしょう。

 

…と何とも楽園のような言い方をしましたが、そう簡単にはいかないのが山の中なのです。

問題はその道中。少し登っただけでも危険な箇所がいくつも現れます。

目印を探しにくい迷い道や・・・

ロープを使用して登り降りを行う斜面

人1人がやっとの狭い崖等、「1時間程度」と紹介はしたものの、とても気軽に行ける場所ではなく、今回も足を何度か踏み外したり、落石が起きる等、危険な場所であることを確認しました。

来春、アズマシャクナゲをご覧になる方は、本格的な登山の準備を、また無理をせずとも、先ほど紹介した湯ノ湖周辺や千手ヶ浜付近で十分美しい群生をご覧いただけるため、安全な場所でご覧になることを強くお勧めします。

 

※注意!!

なお、今回は研修ということで、特別に許可を頂いての登山となりました。本来は来春4月26日までの冬季の期間中、千手ヶ浜から先の歩道のご利用はご遠慮いただいております。登山自体がほぼ不可能なため、十分ご注意ください。 (kobo)

 

★★イベント情報★★

日光自然博物館では、12月12(土)より企画展「地域の記憶展」を開催いたします。中禅寺湖周辺の様々な歴史を、当時ゆかりの実物やパネルなどで紹介する企画展となっております。ぜひお越しください。