日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2021.01.08
新・山の上からこんにちはvol.397

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の奥日光の天気はくもり、気温は-9℃(8:00時点)

 

今回は戦場ヶ原へ!先月通行止めが解除された自然研究路を利用し戦場ヶ原を1周してきました。通行止めは一昨年の台風19号通過後からだったので、今回のコースを歩くのは本当に久しぶりです。

 

木道の上には多い所では雪が20cm程度積もっていましたが、全区間でしっかりと踏み跡がついておりそこを辿れば歩きやすいです。しかしそこを踏み外すと足がはまってしまうので運動靴、スニーカーではなくスノーブーツ等での通行をおススメします。

 

丸1年以上立ち入れなかった区間もあり、なんだか懐かしい気持ちで風景や生き物を見られました。戦場ヶ原のすぐ横を流れる湯川、ここではよくマガモを見かけます。

木道の上から比較的近距離でどこかゆったりしたマガモの動きをゆったりと観察する、というのが一つの定番でしたが、それがまたできるようになりました。

頭が緑色のオスは目立ちますが、一方でメス(写真中央奥の個体)は地味な体色です。そのため存在に気付かずに脅かしてしまったためか、急に飛び立ったカモにこちらがびっくりさせられることがよくありました。これからもまた、カモに脅かされることが増えそうです。

 

 

こちらは毎年夏にピンク色の花を咲かせるホザキシモツケの群落、ここにも久しぶりの来訪でした。

花が咲いている頃には白黒の翅のフタスジチョウがたくさん飛び回っている場所でもあります。このチョウの幼虫は葉で巣を作り冬越しします。幼虫はホザキシモツケの葉を食べるため、この広い群落のどこかに隠れているはずなのです。一面雪で真っ白な中で、人間にとっても厳しい寒さを小さな体で乗り越える、生き物の大きな力を感じました。

 

隠れているはずの幼虫を探しに行きたい!・・・のですがそういう訳にはいきません。冬、積雪量次第で木道と湿原の境目が分かりにくくなることもありますが、湿原内への立ち入り禁止というルールは変わりません。これから冬がさらに深まる奥日光、ルールを守って楽しんでください。(松)

 

 

 

★★イベント情報★★

いわゆる“三密”発生の防止として定員を少人数に絞ったツアーを多数企画しています。

ラインナップはコチラ→1月 2月 3月

いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。

 

☆☆企画展情報☆☆

地域の記憶展・日光地域の断片映像 ~グラビア雑誌に記憶をたどる~

期間:2020年12月12日(土)~ 2021年4月18日(日)※休館日の月曜日(祝日の場合は翌日以降の平日)を除く

約70年前の写真、映像、ニュース雑誌をめくり、中禅寺に住まう古老が思い出を語る――そんな企画展となっています。

地元民だからこそ知っている中禅寺地域の歴史に、耳を傾けてみませんか。