奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
*********************************************************
今朝の奥日光の天気は曇り、気温は5℃(8:00時点)
今回は赤沼から戦場ヶ原を通り、湯滝までのコースを歩きました。
一昨年9月の台風で破損した木道の修復は去年12月に完了し、赤沼、湯滝駐車場の冬季閉鎖も解除済みですが、道中はまだ一部ぬかるみや凍結箇所がありましたので、トレッキングシューズに加え、チェーンスパイクやスパッツの準備をお勧めします。
とはいえ「歩けない!」というような積雪はもうほとんど見当たらない今回のコース。歩き始めると同時に聞こえてきたウグイスのさえずりを皮切りに、春の気配をそこら中で感じることが出来ました。
地面で出会ったこの虫もその一つ
春先から現れるツチハンミョウの仲間です。
メタリックブルーな体が美しいですが、刺激を与えると体から猛毒を含んだ体液を滲み出します。
皮膚に触れるだけで水ぶくれを引き起こすこともあるため、出会ったら触れずにそっと眺めてみましょう。
春の陽気を楽しみながら戦場ヶ原に到着!
冬の間降り積もっていた雪はすっかり融け、男体山をバックに地面には黄金の絨毯のような湿原が広がっていました。湿地の植物たちが青々と色づく春本番前の今だからこその美しい風景にしばらくウットリ。
川沿いや湿地では、黄色く枯れた葉がそこら中で地面からこんもりと持ち上がり、まるで坊主の集団のように見える「谷地坊主(やちぼうず)」が目立ち始めました。先ほどの戦場ヶ原の絨毯を形作るパーツのひとつです。
密に生えた、スゲという植物の仲間の株が土を根っこで抱き込み、冬の寒さによる土壌の凍結や流れによる浸食などにより坊主頭のように丸く盛り上がって発生する様子から、湿地を意味する「谷地」にある「坊主頭」で谷地坊主と呼ばれています。
まさに名前の通りの谷地坊主ですが、季節が進むにつれて新しい葉が青々と成長し…
(6月頃の光景)
夏ごろには谷地坊主というより谷地ロン毛と呼べるほどに成長します。その変わり様はさながら野球部を引退した3年生のよう。なんとも面白い光景ですが、坊主を見たい方は春前の今が見ごろですよ。
湯滝でゴール!
雪は解けたものの、木々が青々とし始める春本番まではもう少し先。そんな冬から春へ、季節が移り変わる今ならではの楽しみも盛りだくさんです。木道が修復し、通行止めが解除されてから初の春を迎える今回のコース。戦場ヶ原の絶景とともに様々な春の訪れを楽しんでください。(kobo)
※追記
今回歩いた様子を動画でもアップしました。是非ご覧ください。
★★イベント情報★★
少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、今回紹介したコースの一部(戦場ヶ原周辺まで)をガイドとともに歩く、春の戦場ヶ原ガイドウォーク等、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。
いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。
☆☆企画展情報☆☆
「地域の記憶展・日光地域の断片映像 ~グラビア雑誌に記憶をたどる~」
期間:2020年12月12日(土)~ 2021年4月18日(日)
約70年前の写真、映像、ニュース雑誌をめくり、中禅寺に住まう古老が思い出を語る――そんな企画展となっています。
地元民だからこそ知っている中禅寺地域の歴史に、耳を傾けてみませんか。