奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の奥日光の天気は晴れ、気温は0℃(8:00時点)
今回は光徳沼周辺でヤマアカガエルの卵塊を探してきました。普段はあまり水に入らず森で暮らしていますが、早春に水辺にやってきて他のカエルに先駆けて産卵します。
こんなカエルです。
100年以上前に戦場ヶ原付近で採集された標本を元にヤマアカガエルという新種として発表されており、奥日光にちょっとしたゆかりのあるカエルでもあります。
これが卵塊です。流れのない浅い水の中に産みつけられます。黒い粒が卵、それをゼリー状の物質が包んでいます。
拡大するとこんな様子。
かなり発生が進んでいる卵塊も。
少数ながら泳いでいるオタマジャクシも発見!
一方で産み落とされた水たまりが干上がってしまったのか、水のない地面で日にさらされる卵塊も。中の卵はすでに死んでしまったのか、臭いに引き寄せられたハエなどが寄ってきていました。
近くの水中には既に動かないヤマアカガエルと思われるカエルが沈んでいました。産卵で力尽きたのか理由は分かりません。
新たに生まれる命の横で、消える命もある。自然の中では生と死は隣り合わせです。
これから一段と暖かくなり、カエルたちを取り巻く環境も変わります。敵となる生き物も増え、厳しい生存競争が繰り広げられることでしょう。今回見たヤマアカガエルや他の生き物たちが厳しい自然の中で生きる姿にこれからの季節も注目していきます。(松)
★★イベント情報★★
少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、今回紹介したコースの一部(戦場ヶ原周辺まで)をガイドとともに歩く、春の戦場ヶ原ガイドウォーク等、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。
いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。
☆☆企画展情報☆☆
「地域の記憶展・日光地域の断片映像 ~グラビア雑誌に記憶をたどる~」
期間:2020年12月12日(土)~ 2021年4月18日(日)
約70年前の写真、映像、ニュース雑誌をめくり、中禅寺に住まう古老が思い出を語る――そんな企画展となっています。
地元民だからこそ知っている中禅寺地域の歴史に、耳を傾けてみませんか。