日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2021.06.18
痛そうで痛くなかったりやっぱり痛かったり

小田代原の木道沿いでは、もう少しで咲きそうなアヤメがぽつぽつと。開花するまでの少しの間に見せてくれるこの姿も、毎年密かに楽しみにしています。

今まで使ったどの色鉛筆よりもいい色が出そうです!削りたてで尖っているように見えますが、触れても全く痛くありません。

 

小田代原やその周辺にはノアザミやニッコウアザミなどアザミの仲間が多く見られ、その刺々しい見た目通り、こちらは触れると痛い目に遭います。木道上を歩いていて気付かずに触れてしまい「イテテ.・・」なんてことは何度も。

 

アザミ類の葉を食べるルリクビボソハムシ、この美しい虫に迂闊に手を出そうとすると棘の洗礼を受けることになります。棘だらけのアザミの群落は彼らを守る城のようにも思えてきます。

 

小田代原や戦場ヶ原周辺のミヤコザサの群落付近でよく見かける毛虫、タケカレハというガの幼虫です。

毛虫=有毒は全ての毛虫に当てはまる訳ではありませんが、この毛虫はやはり毒のある毛を持っています。金粉を被ったような美しい姿には惹かれるものはありますが、手を出さない方が賢明です。

 

見た目ならタケカレハの幼虫よりもはるかに痛そうなトホシテントウの幼虫、しかしこちらは見かけ倒し。軽くなでると痛いどころか、むしろ気持ちよいとさえ感じるくらいです。

正面から見るとまるで小さな怪獣、でも短い脚でゆっくり進む姿はどこか愛嬌があります。

 

痛そうに見えて痛くなかったりやっぱり痛かったり、さまざま。生き物たちは見た目だけでは推し量れませんね。(松)