奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の奥日光、天気は曇り、気温は15℃。(8:00時点)
※この記事の自然情報は6月30日時点のものです。
今回は刈込湖まで行ってきました。
当日は小雨、霧が立ち込め幻想的な雰囲気の森の中を進んで行きました。
歩いていると、道案内をするかのように足元に白とピンクの小さな妖精が現れました。
これは腐生植物の仲間の「ショウキラン」
魔除けの神様である「鍾馗」の姿に似ていることからこの名がついていますが、
背丈はわずか15㎝程度、とても可愛らしい見た目から、私は森の妖精だと思いました。
妖精に道案内をしてもらい進んで行くと、巨大な岩が積み重なった隙間に、緑色に輝く何かがびっしりとありました。
暗く奥まったところが好きな「ヒカリゴケ」です。
薄暗い中に輝く様子はまるで夜空に輝く星々の様で美しいですね。
星繋がりで例えると、夜空の星のほとんどは自ら光を放つ恒星ですが、
このヒカリゴケは太陽系の惑星や衛星と同じで、太陽光を受けることで「光っているように見える」だけ。
光合成を行なう葉緑体に光を集めるレンズ状の細胞が、光を反射して光って見えるんです。
岩の隙間などの光の少ない環境で生きる工夫なんですね。
森の妖精や星々、足元のちょっとメルヘンチックな世界を楽しんで進むと、刈込湖に到着するころには雨は止んでいました。
吹き抜ける風と美しい緑色の湖を堪能していると、周囲から「ヒン!タララララ…」という馬のような鳴き声が聞こえてきました。
声の主は馬ではなく、体長15㎝程の小さな鳥「コマドリ」のさえずりでした。
この馬のような鳴き声から、仔馬を意味する駒が名前になっています。
輝く緑の湖を背景に、薄暗い森の中に響く美しい声にはとても癒されます。
見た目は鮮やかなオレンジ色が特徴的で、声も姿も楽しめる鳥ですので、
切込湖・刈込湖を訪れた際は、この馬のような鳴き声を頼りに探してみてください。
今回歩いた刈込湖コースは、三岳という山の裾を巻くように歩くコースです。
標高は1500m~1700m、巨大な岩が積み重なった三岳ならではの地形だからこそ出会えたのが、たくさんのヒカリゴケやコマドリでした。
場所により楽しめる自然がガラッと変わるのが奥日光の面白いところで、いろいろな場所でいろいろな自然に出会う楽しさを皆さんにも知ってほしいと思います。
(Hori)
今回の動画を公開しています。
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★★イベント情報★★
少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。
いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。
☆☆企画展情報☆☆
低公害バスが走る1002号線沿線には、小田代原、西ノ湖、千手ヶ浜等絶好の写真スポットが点在し、自然美に魅せられ、多くのカメラマンが季節を問わず訪れます。その代表的な名所と時期を当館所蔵の写真を使って紹介いたします。
期間:2020年4月24日(土)~ 2021年7月12日(日)