日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2021.08.13
新・山の上からこんにちはvol.426

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の奥日光、天気は雨 、気温は16℃(8:00時点)

※この記事の自然情報は8月11日時点のものです。

 

今回は湯元温泉街の近くの草地へ。

奥日光の夏を象徴する存在の一つ、コエゾゼミの鳴き声が近くの樹上から多く聞こえてきました。

しかし、少しずつですが日に日にその声が減ってきているようにも感じます。その一方で草の間から聞こえる「ジジジジ・・」といった音は増えてきました。

 

その音の主は黒いキリギリスの仲間、バンダイヒメギスです。

翅の一部にやすりのような構造があり、それをこすり合わせて発音します。目立つ所に出てきて鳴いている個体もよく見かけます。そんな彼らに混じって別の音を出す虫の姿も。

 

「シャシャシャ・・」といった感じの音を出すヒロバネヒナバッタでした。脚と翅を弦楽器のようにこすり合わせ音を出します。数が多く、草地に一歩足を踏み入れるだけでも何個体も現れ、四方八方に飛んで散っていきました。

 

飛び回るバッタを追いかけながら数十メートル歩くうちに、さきほどよりも湿り気味のエリアに足を踏み入れていました。すると湿り気味の草地を好む傾向のあるイナゴモドキというバッタが飛び出してくるようになりました。毎年この時期に、私が探し求めるバッタです!

体色には黄色、緑などいくつかパターンがあるのですが、緑は淡い色でどこか気品が漂っています。
黄色は他の日本のバッタでは少ない色で、青々とした草原によく映えます。

 

飛んで逃げて着地した個体。頭を下草に突っ込むような体勢で静止しています。隠れているつもりでしょうか?こんな姿勢を取る個体が多く見られました。

 

こちらはまだ長い翅がない幼虫。

奥日光ではこういったバッタたちは夏真っ盛りよりも段々と暑さが和らぐ時期から増えてきます。小さな幼虫もまだ多く、彼らもこれから成長して、飛んだり跳ねたり鳴いたりと、これからの草原をにぎやかにしてくれることでしょう。暑さは収まってきてもバッタが大好きな私のワクワクは収まりません!!

 

 

★★イベント情報★★

少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。

ラインナップはコチラ→8月 9月

いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。

 

☆☆企画展情報☆☆

「ちょっとディープな日光の自然ガイド」

令和3年1月~3月に開催された栃木県立博物館の企画展「ちょっとディープな日光の自然ガイド」

私たちも一部作成に協力したこの企画展の展示パネルを自然体験活動を中心に活動する日光自然博物館らしいものにアレンジしました。日光の成り立ちや各環境の動植物の紹介など総括的な知識に加え、様々な自然観察のポイントをご提案する展示です。
より深くたっぷりと奥日光の自然を楽しむヒントが満載!ぜひご覧ください。

期間:2020年7月17日(土)~ 2021年8月29日(日)