日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2021.10.01
新・山の上からこんにちはvol.433

 

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の奥日光、天気は雨、気温は13℃(8:00時点)

※この記事の自然情報は9月29日時点のものです。

 

最近の奥日光は、朝は13℃前後、夜には10℃を下回るようになり、紅葉シーズンの到来を肌で感じられる雰囲気になりました。

そんな中今回は、9月下旬から10月上旬に木々の紅葉に先立って始まる「草紅葉(くさもみじ)」を見に小田代原へ行きました。

 

小田代原の草紅葉は、始めはイネ科の植物たちが穂をつけ白色や淡い黄色に、次第にホザキシモツケの色づきが進みフィナーレには濃い赤色に、イネ科の植物たちは枯れ黄色味が増すなど、様子が段階的に変化していくのが特徴です。

そのどのシーンもを取っても美しい、それが小田代原の草紅葉です。

 

さて、歩いてきた9月29日の草紅葉の様子はというと・・・

まだ緑色が残りつつ、カラフルなイネ科の植物たちや赤く染まるホザキシモツケなどで、草紅葉の特徴的な色を網羅したかのような景色が広がっていました!

ピークは恐らく10月上旬と予想しますが、霜が降りると傷みが急激に進み枯れ色になってしまいますので、ご覧いただくのは早めが良いでしょう。

 

 

そして木々の紅葉も次第に伺えるようになってきました。

小田代原周辺の森の中では、まだ紅葉の進んでいない中に一際目立つ赤色の葉っぱが木を這い上がるようについているのが見られます。

これはツタウルシというツル性の樹木です。

鮮やかな赤色に染まるのが特徴的ですが、中には淡い赤や黄色い葉っぱもついています。

紅葉は気温差や日当たりのによって進みが変わります。

昼夜の気温差が大きくなると、緑色の色素が壊れ隠れていた黄色い色素が見えるようになることや、日が当たり赤色の色素が合成されることで、葉っぱが赤色や黄色に紅葉します。

恐らくこのツタウルシは、張り付き方で日当たりが異なり紅葉の進みに具合に違いが生まれ、様々な色合いを見せてくれたのでしょう。

赤色と黄色が同時に見られお得な気分ですね。

※ツタウルシは触れるとかぶれる植物ですのでご注意ください。

 

赤色だけでなく黄色の紅葉も美しいですが、小田代原周辺の森ではドングリのなるミズナラが非常に多く生えています。

比較的早く紅葉し、今鮮やかな黄色に染まり始めています。

また、10月下旬にはカラマツの葉っぱが黄葉し、「金屏風」と表現される景色が小田代原で見られます。

(昨年撮影の「金屏風」)

 

奥日光は樹種が多く、場所や樹種ごとにズレて紅葉するため、様々な色の紅葉を長く楽しめるのが奥日光の紅葉のいいところです。

また、今回見たツタウルシのように、一本の木を見ても色合いや濃さが異なって紅葉していることがあります。

全体の紅葉を眺めるだけでなく、木一本、葉っぱ一つ一つを見ることも、紅葉の楽しみ方の一つではないでしょうか。

(Hori)

 

動画も公開しましたので、ぜひご覧ください。

 

★★イベント情報★★

少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容・開催日程を変更する可能性があります。ご了承ください。

ラインナップはコチラ→10月11月12月

いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。