中禅寺湖畔の森の中で見つけた奇妙なかたまり。
誰かが糸玉を捨てていったのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。この奇妙なかたまりは時々動くのです。下にある生き物が潜んでいます。
かたまりの上の方に注目です。立派なアゴを持った虫の頭が見えますでしょうか?
その正体はクサカゲロウの仲間の幼虫。アブラムシを捕食する小さなハンターです。背負っているのは葉の切れ端や食べたアブラムシの残骸などで、まるで布団のようで暖かそうですね。しかしこの布団の大きな役割はカムフラージュ。天敵や獲物に見つかりにくくする効果があるのです。
アブラムシが知らずに幼虫の上を通過しました。この時は大丈夫でしたか、知らずに近くを通り捕まるアブラムシも数多くいることでしょう。
こちらの個体が背負っている布団は黒っぽいですね。個体ごとに使う材料は違うため、それぞれが作る布団に個性が出ます。
頭は写真右側の方です。アゴがしっかり見えているので探してみてください。
ここ数日で奥日光地域の冷え込みは一気に厳しくなりました。暖かそうな布団を背負ったまま移動できる虫を、少し羨ましく思いながらしばし見つめていました。(松)