日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2022.03.04
新・山の上からこんにちはvol.454(追記:動画のリンクを載せました!)

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

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今朝の天気は晴れ、気温は-5℃。(8:00時点)※下記の情報は3月2日(水)時点のものです。

 

今回は中禅寺湖畔南岸の歌ヶ浜駐車場から狸窪付近まで歩いて、植物の冬芽を観察してきました。

春に葉や花を開くために準備されたものを冬芽と言います。枝先にある小さい卵のような形をしていて、その中には葉や花が小さく折りたたまれています。今回は面白い形をした冬芽をたくさん見つけました!

 

例えば...

枝先に二つの冬芽が並んでいてまるでシカの蹄みたい!外側は固く、つやのある赤い色をしていてとても綺麗ですね。

これはカエデの仲間です。普通冬芽は枝先に一つですが、二つ並ぶ種類は少なく、とても特徴的で分かりやすいと思うのでぜひ探してみてください。

 

他にもある動物に似た冬芽を見つけました。

まるでウサギみたい!細長い卵形の冬芽が葉芽。丸い冬芽が花芽です。葉芽からは葉が開き、花芽からは花が開きます。これはオオカメノキの冬芽で薄茶色の毛にびっしり覆われていてとても暖かそうです。

 

植物は寒さや乾燥、また虫による食害などから新しい葉や花を守るために、冬芽を固いうろこ状のもので覆ったり、毛で覆ったり、ネバネバの樹脂でコーティングしたりと様々な工夫をして厳しい冬を乗り切っているんです。

 

 

実は、冬芽観察にはもう一つ別の楽しみ方があるんです。それは葉痕を観察すること。

葉痕とは葉が落ちた跡にできる痕跡のこと。維管束と呼ばれる水分や栄養が通っていた管の跡が目と口に見えることがあるんです!さらに冬芽と葉痕をセットで見てみると...

冬芽が髪の毛や帽子のように見えてもっと面白い!!木の種類ごとに個性豊かな冬芽があって、観察すればするほどはまること間違いなしです!

 

冬は花が咲かないし、葉も落ちてしまうから、何が面白いの?と思っている方が多いと思うのですがそんなことはありません。植物はどの時期も面白いんです!冬芽や葉痕などを観察してより植物を身近に感じていただけると嬉しいです。

 

最後に歩道状況ですが、歌ヶ浜駐車場から狸窪付近までの歩道は雪が解けて凍った箇所がいくつかあり、滑りやすいです。

お越しになる際はお足元に十分お気を付けください。(渋)

冬芽が小さくてピントが合わず、ほぼ写真になってしまいましたが、動画も作成しました。よろしければご覧ください!

 

★★イベント情報★★  

少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容・開催日程を変更する可能性があります。ご了承ください。

ラインナップはコチラ→4月5月6月

(いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。)

 

深く・じっくり・いきものの秘密観察会(3月6日開催)←お申し込みはここをクリック!

 まだまだ寒い森の中。何もいないように見えても、生き物たちは隠れていたりその痕跡を残したりしています!

 野外で観察し、気になったものは持ち帰ってルーペなどを使い、さらにじっくり観察!生き物大好きな自然解説員が、

 生き物と自然の背景について面白く熱く語ります。開催日が近いですが、気になった方は是非お申し込みください。

 

☆☆企画展情報☆☆

冬の企画展 地域の記憶展「国立公園指定以後 湖辺に棲む ―住環境意識の変容」

長い奥日光・中禅寺地区の歴史の中で昭和9年の国立公園指定以降の人々の「住環境意識の変容」にスポットを当てます。奥日光中禅寺を取り巻く状況や人々の暮らしの変化と絡め、多くの貴重な資料で綴る物語・・・ぜひご覧ください。

期間:2021年12月18日(土)~ 2022年4月17日(日)