日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2022.04.08
新・山の上からこんにちはvol.459

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は晴れ、 気温は 4 ℃。(8:00時点) ※下記の自然情報は4月6日時点のものです。

 

最近の奥日光は春らしい陽気が出てきたなと思ったら、雪が降り、なかなか冬から抜け出せない。そんな日が続いています。

スタッドレスタイヤはまだまだ外せなさそうです。

さて、今回は華厳滝を上からではなく、エレベーターを使って下に降り、有料観瀑台から見てきました。

どうして下から見てきたのかというと、三つ理由があります。

 

一つ目は迫力がより増すからです!下から見上げると「あんなに高いところからたくさんの水が流れ落ちていたのか!」と97メートルの高さを体感できます。また、滝に近くなるので流れる水の轟音や、流れ落ちた水が大きな衝撃で水しぶきとなり広範囲に広がる様子が圧巻です。

 

二つ目は面白い地形を観察することができるからです。華厳滝の右側に六角柱のような岩が並んで壁をつくっているポイントがあります。これは柱状節理といい、火山から流れ出た溶岩が、ゆっくり冷え固まって、規則正しい柱のような割れ目をつくります。下から見るとより柱のようになっているのが分かります。

(4月2日(三)撮影)

三つ目は、春は柱状節理を巧みに利用している生き物を観察すことができるからです!これが華厳滝に行ってきた最大の理由!その生き物とは………

イワツバメというツバメの仲間!3月末ごろにアフリカ大陸や東南アジアから日本に渡り繁殖します。華厳滝周辺ではたくさんのイワツバメたちが「ジュリッジュリッ♪」と鳴きながら飛んでいました。

 

話は戻り、どのように柱状節理を利用しているのかというと、イワツバメは岩場などに巣をつくる習性があり、華厳滝周辺のイワツバメたちの多くは柱状節理の窪みに巣をつくるのです!

華厳滝周辺は断崖絶壁で天敵の心配が少ないということも理由の一つかもしれません。あんな急なところによく巣をつくるものだと驚きました。もし、私がイワツバメのヒナだったら…もし、巣がもろかったら下は固い岩だらけ…。想像しただけで身震いしそうです。

 

また、今回はハヤブサも見ることができました。この時期はハヤブサも華厳滝周辺の渓谷のどこかで子育てをするそうです。体の小さなイワツバメたちに混ざって上の方で悠々と羽ばたく姿はとてもかっこよかったです!

華厳滝はイワツバメやハヤブサ、崖を好むニホンカモシカ、ニホンザルなど以外にもいろんな生き物たちを観察できる場所です。ぜひ、滝だけではなく周りをよく観察して生き物たちとの出会いも楽しんでいただきたいです!(渋)

 

動画を作成いたしましたので、ぜひご覧ください。

※一部誤った情報がありましたので、再投稿しました。(4月8日18時55分時点)

 

 

★★イベント情報★★  

少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容・開催日程を変更する可能性があります。ご了承ください。

ラインナップはコチラ→4月5月6月

(いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。)

 

 

☆☆企画展情報☆☆

冬の企画展 地域の記憶展「国立公園指定以後 湖辺に棲む ―住環境意識の変容」

長い奥日光・中禅寺地区の歴史の中で昭和9年の国立公園指定以降の人々の「住環境意識の変容」にスポットを当てます。奥日光中禅寺を取り巻く状況や人々の暮らしの変化と絡め、多くの貴重な資料で綴る物語・・・ぜひご覧ください。

期間:2021年12月18日(土)~ 2022年4月17日(日)