奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は晴れ、気温は17℃。（8:00時点）※下記の情報は7月27日（火）時点のものです。

最近の奥日光は雨の日が多いです。気温が高いためか急な雨や雷が鳴ることもありました。事前に天気予報を確認し、天候の急変に備えて雨具を用意するといいでしょう。

 

今回は中禅寺湖畔南岸にある英国大使館別荘記念公園、イタリア大使館別荘記念公園に行ってきました。

明治、昭和戦前、奥日光は国際避暑地としてたいへん賑わっていた時代がありました。２つの施設は当時使われていたもので、なるべく元の状態を残したまま復元し、一般の方も観覧できます。

↑英国大使館別荘記念公園

↑イタリア大使館別荘記念公園

 

中禅寺湖畔にはヨーロッパ諸国の大使館別荘が多く建てられていました。その数…なんと40件ほど！！

夏になるとたくさんの関係者が訪れ交流していました。その様子から「夏は外務省が日光に移る」とまで言われていたそうです。

 

どうして、こんなにたくさんの外交官たちが奥日光に訪れるようになったのでしょうか…

ヨーロッパの気候に比べ、居留地のある東京、横浜の夏は蒸し暑くどこか涼しくて比較的行きやすいところはないか…

ということで奥日光が注目を受けるようになりました。しかし、それだけではありません。

曇り空ですが、とってもきれい!!!晴れの日は湖がさらに青く輝き美しいですよ。

 

広大な中禅寺湖と湖の周りを取り囲む山々、まるで絵のような美しい風景はヨーロッパの風景と似ていて、たくさんの外交官たちから愛されました。また、中禅寺湖ではヨットレースや釣りなども行われていました。

どちらの大使館も湖側に建物の幅いっぱいまで広がる縁側があり、そこから外交官たちを虜にした美しい中禅寺湖の風景をご覧いただけます。

 

大使館付近を散策していると面白いお花にも出会いました！

タマガワホトトギスというお花です。花の模様が野鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることからその名前がついたそうです。実は奥日光が外交官たちに知られるようになった火付け役の一人でもあるアーネスト・サトウも植物をこよなく愛する方でした。

 

日本語が非常に上手な英国の外交官で、伊藤博文、西郷隆盛、勝海舟など多くの人物と接触し、明治維新に大きな影響を与えた一人です。英国大使館別荘記念公園は元々、彼の個人別荘でした。季節を問わず周囲の山々を歩いて、植物の観察と採集を楽しんでいたそうです。

 

奥日光の豊かな自然があってこそ、多くの外交官たちの心をとらえ、国際避暑地としてにぎわったのです。

今年の夏はぜひ、そんな歴史に思いを馳せて奥日光で避暑してみてはどうでしょうか。（渋）

 

動画も作成しました。よろしければご覧ください。