日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2022.11.25
新・山の上からこんにちはvol.492

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は晴れ、気温は1℃。(8:00時点)※下記の情報は11月23日(水)時点のものです。

 

今回は、バス停の西ノ湖入口から西ノ湖を経由して千手ヶ浜までの約1時間半のコースを歩いてきました。

千手ヶ原と呼ばれる森の中を通るコースです。

西ノ湖の水量はとても少なく、満水時の1/3くらいの面積しかありませんでした。

 

葉っぱが落ちて見通しの良いこの時期の森では、花の時期や紅葉が綺麗な時期では目につきにくいものが見えてきます。

木々の様子に注目していると、まるでワシの巣かのような大きな枝の塊がありました。

 

これは天狗の巣、というのは冗談で、これはテング巣病と呼ばれる、一ヵ所からたくさんの枝が成長してしまう病気なんです。

何らかの巣のように見えることからテング巣病と呼ばれます。

樹木にも人と同じように病気が存在するんです。

 

他に見られる樹木の病気は、ぼっこり飛び出したコブがその一つです。

傷口から入り込んだ菌などによって細胞が増殖してしまっているんです。

このコブによって成長が悪くなってしまうようです。

 

今回見たコブは、ひび割れたところがニコニコした顔のように見えました。

こっちを向いて微笑んでいますね♪

 

コブの大きさは様々で、

小さめのコブから、

大きいものでは、私が体育座りで入れそうなくらい大きなコブもありました。

探してみるとたくさん見つかります。

 

この日は雨が降っていたのですが、雨の日ならではのものを観察しました。

地衣類という菌類と藻類の共生生物です。

天気によって柔らかさが変わり、特に雨の日は水分を吸って柔らかくなるので、

今回は、2種を触ってみました。

 

こちらはヒゲや根っこのような枝状に伸びるカラタチゴケの仲間。

まるで毛のようでフサフサとした感触で気持ち良かったです!

 

こちらは葉っぱ状で形と色がまるでレタスのようなカブトゴケの仲間。

プルプルとした感じでなんだか美味しそうでした!

 

様々な形の地衣類があり、奥日光では樹皮などにたくさん見られます。

天気や種類によって変わる触り心地をぜひ比べてみてほしいです♪

 

今回のように、見通しの良くなったこの時期の森をハイキングする際は、ぜひ木々の様子にも注目してみてください。

普段何となく見過ごしてしまいがちな景色の中に、自然の面白さが隠れていますよ。

 

(Hori)

 

【コース案内】

低公害バスへお乗りいただき西ノ湖入口で下車、そこから西ノ湖へは徒歩約30分で到着します。

少し戻って千手の森歩道を進み、こちらも約30分で千手ヶ浜へ抜けます。

最後は千手ヶ浜のバス停から低公害バスに乗り赤沼まで戻れます。

西ノ湖入口から西ノ湖を経由し千手ヶ浜のバス停まで1時間半~2時間で回れるコースです。

 

~お知らせ~

★低公害バスは11月30日(水)まで運行しています。

★平成17年10月から長い間運行していたハイブリッドバス「のあざみ号」が、今月いっぱいで引退となります。この最後の機会にご利用ください!

 

今回の記事に関する動画です⇩ぜひご覧ください!

 

★★イベント情報★★

少人数での実施、スタッフの体調管理やツアー中のマスク着用、お客様を含めた密集防止、手指消毒の適宜実施等、感染症対策を取った上で、自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容・開催日程を変更する可能性があります。ご了承ください。

ラインナップはコチラ→12月1月2月

(いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。)

 

☆☆企画展情報☆☆

企画展「これに出会いたい!奥日光のとっておき24~秋・冬編~」 開催!

奥日光で活動するインタープリターならではの視点で、「奥日光のとっておき」をご紹介します。美しい景観だけではなく、その瞬間にだけ見られるものや、植物、動物など、秋・冬のいろんな魅力がギュッと詰まっています。

期間:2022年9月10日(土)~