奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
*********************************************************
今朝の天気は晴れ、気温は19℃。(8:00時点)※下記の情報は7月4日(火)時点のものです。
最近の奥日光は気温が20℃を越える日が増えてきましたが、午後から雨になったり雷予報が出る日もあります。お越しの際はカッパを持ち、天気予報をこまめにチェックしていただきたいです。
さて、今回は奥日光から少し離れて、鬼怒沼に行ってきました。鬼怒沼は標高約2020mに位置する湿原ですが、同じく湿原である戦場ヶ原と比べ植生や雰囲気が異なり、面白かったです。
鬼怒沼は湿原の中でも高層湿原というタイプに分類され、ミズゴケが水位より高くまで発達し、栄養がとても少ないことも特徴です。そのため、比較的サイズが小さい植物が多く、また虫を食べる食虫植物なども見られます。
(ミズゴケの仲間)
今回はモウセンゴケがたくさん生えていました。中には開花している株もあり、小指の爪よりも小さいお花がかわいかったです!
戦場ヶ原でも見られるのですが、群落は小さく、今回のように右をみても左を見ても辺り一面に生えている様子は見られないので、びっくりしました!
戦場ヶ原は大部分が中間湿原で、モウセンゴケの好む高層湿原はごく一部です。また、鬼怒沼に比べやや乾燥している場所も多く、これも見られる植物の違いにつながっています。
ただ、戦場ヶ原は場所によって湿原の湿り具合が異なるため、ちょっと歩くと違う植物に出会えるので、これは鬼怒沼に負けない魅力だと思いました。
景色の違いも面白かったです。鬼怒沼には湿原の中に池塘(ちとう)という大小さまざまな大きさの沼がありました。爽やかな湿原の緑と、水面に映る青空とのコラボが本当に美しかったです!
戦場ヶ原には池塘はありませんが、湿原の奥に立派な山々が連なり迫力があってカッコいいです。私は今回初めて鬼怒沼に来たことで、それぞれの魅力を知ることができました。どちらも素晴らしい景色なので、ぜひ、皆さんにも見比べてほしいですね。
美しい景色に感動したと同時に、これからも残り続けてほしいと強く思いました。戦場ヶ原や鬼怒沼ではシカが増えすぎたことにより植物が食害にあうなど問題も抱えています。
(シカに食べられたコバイケイソウ)
これからも自然の魅力を伝えるとともに守るためにはどうすればいいか考え続けていきたいです。
湿原に出るまでの登山道は長く、すごく細い道や、岩場が多いため、トレッキングシューズなどのしっかりとした服装で、足元に十分に気をつけてください。
ブログの内容に合わせた動画をYouTubeにアップしています。ぜひ、ご覧ください!(渋)
★★イベント情報★★
日光自然博物館では奥日光の大自然を満喫できる各種ツアーを多数企画しています。
(いずれも先着順となっておりますので、ご希望に添えない場合はご容赦ください。)
☆☆企画展情報☆☆
来週末から、夏の企画展「奥日光の昆虫展~ムシできないムシたち~」が始まります!
今回はちょっと地味だけど、自然を陰で支える、なくてはならない大切な存在!「分解者」に注目した企画展になっています!夏休みの自由研究などにもきっと役立ちますよ!ぜひ、夏休みご家族でお越しください。
期間:2023年7月15日(土)~ 2023年9月3日(日)