日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

    2023.08.25
    新・山の上からこんにちはvol.528

    奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

     

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    今朝の天気は晴れ 、気温は24 ℃。(8:00時点)※下記の情報は8月23日(水)時点のものです。

     

    今回はこの時期に咲く私の好きなお花を探しに、光徳駐車場からスタートし、光徳沼、森の中を歩き、北戦場まで行ってきました。

     

    一つ目が、ハナイカリという植物です。

    名前の通り海底に沈めて使う碇のような面白い形をしています。花弁は、黄色から白へと変わるグラデーションが美しいんです!

    日当たりの良い場所が好きな植物で、光徳沼周辺に咲いています。背丈はそんなに高くなく、花の色が地味なので周りの植物の緑に溶け込んで見つけるのが少し難しいのですが、その分見つけたときは嬉しくなります!

     

    二つ目はウメバチソウという植物です。

    高さは10~40㎝。梅の花のような見た目をしています。今の時期戦場ヶ原で多く見られます。

     

    仮雄しべと呼ばれる部分があり、形がすごく面白くて好きなんです。まるでつけまつげのような形‼

    色は黄色く形の複雑さも合わせてとても美しいのでぜひ、見てほしいです。

    好きなお花を見られて大満足だったのですが、実は帰った後、もっと面白い発見がありました!

     

    ウメバチソウの写真を見返していたら、上の写真は、5本の雄しべが真ん中にある雌しべを包むような状態だったのですが、下の写真では、雄しべが外向きに反り返っていたのです。

    ウメバチソウの雄しべは一本ずつ伸びて花粉を出し、反り返ります。そしてすべての雄しべが反り返ると、ようやく雌しべが成熟し、柱頭(花粉を受け取る場所)が開くという仕組みなのだそうです。これは自分の花粉で受粉しないようにするためだと考えられているそうです。

     

     すでに見たことがある、知っているという植物でももう一度よく観察してみると、新しい発見があるかもしれません。さらにそれを調べてみると植物がどのように暮らしているのか、いろんな工夫をしていることなどが分かって植物観察がさらに楽しくなりますよ。

     

    今回のコースでは他にもアキノキリンソウやエゾリンドウ、キオンなど秋のお花がたくさん咲いています。お盆が過ぎて気温が少しずつ下がってきているため、涼しくハイキングができていいですよ!天候の急変に備え、カッパを忘れずに持って、ぜひ奥日光にお越しください。

     

     

     

     

    ~イベント情報~

    当ホームページの「ガイドツアー」にて、9月・10月開催のイベント情報の公開が始まりました!

     

    今年の秋は、私たちと一緒に奥日光の大自然を楽しみましょう!