虫の観察といえば夏のイメージですが、実はまだ楽しめる虫がいるんです!
それは蛾!蛾が大好きな自然解説員が蛾を探して小田代原を一周してきました。
現在の小田代原の様子は……
もう既に雪が積もっており、行動中も小雪がちらつく中でした。
木道には凍結があり、一部滑りやすくなっています。足元には十分お気を付けください。
ですがこの中でも活動している昆虫がいます。注目すべきところは木道の柵!
このようにシャクガの幼虫が健気に枝になりきっていることがあります。
擬態がバレていると気づくと、「尺取虫」という俗称の通り、尺を計っているような動きで移動をします。
なんともいえない愛嬌がありますね。
シャクガの他、身体に雪をつけたまま風をしのいでいるヤガの仲間もいます。
そしてこちらが大本命、フユシャクと呼ばれる蛾の仲間のチャバネフユエダシャク♀
フユシャクの♀は翅が退化して完全になくなっていたり、ついていても小さかったりと普通の蛾とは異なる姿を
しています。詳しい理由はまだ判明していませんが、体の表面積を減らして体温の低下を防いでいる可能性が
高いとのこと。飛べなくてもフェロモンで♂を誘い、繁殖することができます。日中は落ち葉の中にいることが多い
ため幸運でした。
一見蛾のように見えませんが、顔を見ると蛾らしいつぶらな瞳をしていますよ。
そしてこちらもフユシャク。ミヤマフユナミシャクの♂です。♂には翅があり、飛ぶことができます。
カラマツと山地が好きなので小田代原は彼らにとっていい環境と言えるでしょう。
フユシャクの仲間は似た姿のものが多く種類の判別が難しいのですが、冬にも出会える昆虫の魅力に気づくと
心があたたまる思いがします。地味な姿の虫ですが、冬でも生きていられる蛾たちの力強さを感じてほしいです!(冴)
今回訪れた小田代原へのアクセスは低公害バスのご利用が便利です。積雪情報にもよりますが、運行は今月11月末
までとなっておりますのでご利用の際はお早目にお越しください。詳しい運行状況等はこちらからどうぞ!