日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

    2024.04.12
    新・山の上からこんにちはvol.556

    奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

     

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    今朝の天気はくもり、気温は 5℃です。(8:00時点)※下記の情報は4月10日(水)時点のものです。

     

    今回は4月20日からの低公害バス運行開始に先立って、西ノ湖の様子を見てきました。西ノ湖入口バス停までは赤沼から徒歩2時間以上かかりますが、低公害バスに乗ると20分ほどで到着できます。

    西ノ湖入口バス停からの遊歩道は、足元の雪はすでに解けて歩きやい状態になっています。少しすると、ひらひらチョウも舞ってきて、いよいよ春が近づいている感じ~♪

    ただ、西ノ湖までの道中、カラマツ林は芽吹いておらず色の少ない景色が続きます。

    そんな中ですが、木の上の方からは一羽のヒガラがさえずる声が!※写真は別日のエナガ

    ヒガラやエナガは冬の間、シジュウカラ、ゴジュウカラなどと共に種類の垣根を越えた混群で生活しますが、春になると散り散りになって各々繁殖の準備に入ります。今はペアの相手を見つけるべく、一生懸命ラブソングを歌っている最中のようでした。

    そんな野鳥たちを観察しながら木の上の方を見ていると、まだ葉が生えていないカラマツ林中に、青々とした葉が茂るマツの木が何本か生えている事に気が付きました。

    そのマツの木の周りには長さ10cmはありそうな松ぼっくりが落ちていました。その形からするに、おそらくストローブマツのようでした。これまで何度も歩いていましたが、夏場はカラマツの緑に紛れて、なかなか気づかなかったんですね。(手前はカラマツぼっくり)

     

    さて、バス停から20分ほど歩いて西ノ湖に到着しました。

    なんと、まだ水面の大部分が氷に覆われていて、雪の全くなかった道中から、季節が逆戻りする様な不思議な感覚を味わいました。そんな景色をしばらく楽しんでいると、対岸にうごめく大きな生き物が!

    大きなオスジカでした。深い森を背景に、凍った湖のほとりを歩くその姿は映画のワンシーンを彷彿とさせるような神秘的な雰囲気でした。普段、昼間は滅多に姿を現しませんが、冬の間、ほとんど人が立ち入らない為に行動が少し大胆になっていたのかもしれません。

     

    今回は、まだ完全に春とは言えない枯れ景色の中でしたが、生き物たちはこの時期ならではの姿・様子で私を楽しませてくれました。4月20日の低公害バス運行から5月にかけては、地面の花の開花や木々の芽吹きなど、景色や生き物の行動が刻一刻と変化していきます。実際に歩いてその時々の見所を探してみてはいかがでしょうか!(鈴)

     

     

    低公害バス路線状況!

    千手ヶ浜

    千手の森歩道

     

    お知らせ

    ☆☆企画展情報☆☆

    企画展「一味違う自然観察 這い寄れ!花の奥日光」開催!

    春はアカヤシオなどのツツジ、夏はノアザミやホザキシモツケといった美しい花々で彩られる奥日光ですが、今回は忘れられがちになってしまう足元の花たちに限界まで近づくことで見えてくる魅力をご紹介します。

    期間:2024年4月20日(土)~ 2024年7月7日(日) ※4月は月曜休館

     

    また、手軽ハイキングイベント、初心者向けの登山イベントなど、奥日光の春を楽しむイベントを多数企画しています。

    ⇓⇓詳細はこちら⇓⇓

    4月イベント5月イベント