日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2024.06.21
新・山の上からこんにちはvol.566

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

*********************************************************

 

今朝の博物館周辺の天気は晴れ、気温は13℃。(8:00時点)※下記の情報は6月19日(水)時点のものです。

 

今回は小田代原に行ってきました。小田代原に生えているホザキシモツケ(低木)の葉が新緑になっていて、原っぱ全体がとても美しかったです。周りに生えているミズナラも葉が開き、奥日光は初夏を迎えています。

 

小田代原では、初夏に咲く色とりどりのお花が咲き始めていました。

左から、ハクサンフウロ、ウマノアシガタ、アヤメ

 

お花観察をする際は、どうしてそんな色、模様、形をしているのかを考えながら観察して見ると面白いですよ。

例えば、アヤメの網目模様は蜜標(みつひょう)といって、昆虫たちに蜜の在りかを教えるマークなんです。

また、花びらの付け根、奥の方に蜜が隠れているのですが、その花びらの上には、細長い花びら状になっている花柱(めしべの一部)が覆いかぶさっています。

その隙間に体が小さいハナバチなどが潜り込んでいくのですが、その際に葯がハナバチの体に触れ、花粉がくっつき、他の株へ花粉を運んでもらうような工夫がされているんです!

 

実際にハナバチがアヤメの花粉を運ぶところを見られないかな~と期待して待っていたのですが、今回やってきたのはコチャバネセセリという体が小さい蝶でした。

チョウは長いストロー状の口を持っているため、花の奥に潜り込まなくても蜜を吸うことができ、チョウの体に花粉はくっつきにくいと思われます。アヤメにとっては残念な相手だったかもしれませんが、コチャバネセセリが面白い行動をしてくれたので私は嬉しかったです。

(そんなところから蜜を吸うの?!と驚きました。)

花びらの小さな隙間から頭をぐりぐり押し込むようにしていたり、何度も体の角度を変えたりと、10分ぐらいアヤメの上をモゾモゾ動いて蜜を吸っていました。なんだか必死さが伝わって面白かったです。(渋)

 

今回のように、お花と昆虫たちの関係などを通してお花観察がもっと楽しくなるようなイベントを開催いたします。

6月29日(土)、7月14日(日)、7月21日(日)の3回です。ご興味がある方はぜひご参加ください。

下記の下線部をクリックするとお申込みページに飛べます。

植物がもっと好きになる!お花ちゃんとフラワーハイキング|日光自然博物館 (nikko-nsm.co.jp)

 

動画も作成いたしましたので、よろしければご覧ください。

お知らせ

☆☆企画展情報☆☆

企画展「一味違う自然観察 這い寄れ!花の奥日光」開催!

春はアカヤシオなどのツツジ、夏はノアザミやホザキシモツケといった美しい花々で彩られる奥日光ですが、今回は忘れられがちになってしまう足元の花たちに限界まで近づくことで見えてくる魅力をご紹介します。

期間:2024年4月20日(土)~ 2024年7月7日(日)

 

その他にも、親子でご参加頂けるナイトサファリ、水辺の昆虫探し、など奥日光を楽しむイベントを多数企画しています。

⇓⇓詳細はこちら⇓⇓

6月イベント 7月イベント