奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の博物館周辺の天気は晴、気温は21℃。(8:00時点)
※下記の情報は7月3日(水)時点のものです。
今回は赤沼から戦場ヶ原を通り、泉門池まで往復してきました。片道約1時間、3kmのコースです。ハイキングでお馴染みのルートですが、短い距離の中でも多くのものが楽しめるコースなんです。
このコースは短いながら、湿原、やや乾いた草原、川、森の中と様々な環境を見ることができます。バラエティーに富んだ環境があるということは、それぞれの環境を好む動植物が幅広く集まってくることになります。
そのわかりやすい例がノハナショウブとアヤメ!
ノハナショウブは湿った環境を好む赤紫の花ですが、アヤメはやや乾いた環境を好む青紫の花です。そのためノハナショウブは開けた湿原に、アヤメは同じくやや乾いたところを好むホザキシモツケやズミの足元に多く咲いています。アヤメのほうが早く咲き、既に見頃を過ぎ始めていたため、アヤメを見たい方はお早目に!
そして例に出したホザキシモツケの現在は……
蕾がピンクになって膨らんできているものもありました。早いものはもう咲いています。湿原の手前、開けてやや乾燥しているところに多く群生しています。開花が楽しみですね。
また、ホザキシモツケと同じように待ち望んでいる方の多いノアザミも一部咲き始めていました。
ノアザミは日当たりのよい場所を好むので周りが生い茂っていないところや、木道沿いで見られますよ。 日当たりのよい小田代原で多く見られるのもそういった理由なんです。
順次開花情報は随時お届けしていくので是非HPや各種SNSをチェックしてみてくださいね!
湿原を抜け、泉門池までの背の高いミズナラなどの樹木が並ぶ森の中で20頭ほどのニホンザルの群れを見ることができました。ササ原の中で何かをむしって食べているようでした。
ニホンザルは雑食性のため、葉や木の実、昆虫などを食べますが、最近はササの新しい葉を食べることも多いようです。森を少し進んだ先ではササを食べていたであろう緑色のフンが木道上にたくさんありました。ササは戦場ヶ原周辺の森を代表する植物なので、この緑のフンが突然現れたことも環境が変わった証拠ですね。動物も環境を選んで生活しているのがわかります。
短いコースの中で目まぐるしく環境が変わっていきます。生きものの様子からわかる環境の変化に注目してハイキングするのも楽しいですよ。(m)
こちらの記事を動画にしました。是非ご覧ください。
おしらせ
日光自然博物館では7月14日、21日に季節の植物大好き解説員が小田代原を半周してより詳しく、そして楽しく解説する「お花ちゃんとフラワーハイキング」を開催します。
詳しくはこちら!