奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
今朝の天気は晴れ、気温は20℃。(8:00時点)
※下記の情報は7月24日(水)時点のものです。
小田代原の木道を一周してきました。最近の奥日光は、天気が不安定は日が続き、取材日も曇り空で天気には恵まれませんでした。
しかし、そんな天気でも面白い物を沢山観察することができたので紹介していきたいと思います。
小田代原のバス停から展望台に向かうと…
広大な湿原と貴婦人と呼ばれているシラカンバがお出迎えしてくれました。
綺麗な景色を見ると心が落ち着いていいですね!
さらに木道を進むと、この時期問い合わせの多いホザキシモツケとノアザミの群落を発見!
ホザキシモツケもノアザミも見ごろを迎えていて、沢山の花を見ることができました。
短いピンク色の尻尾のようなホザキシモツケと赤紫色のウニのようなノアザミが風に揺れる姿は微笑ましい光景でした。
花の多い時期になり、この2種以外にも綺麗な花が沢山見られたので紹介します。
黄色のラッパのようなキツリフネ
見た目からは想像できないような独特な匂いがするイブキトラノオ
花が下向きに咲くヤマオダマキなど個性的な花が沢山見られました。
写真のように花によって色や形、匂いに違いが見られます。それにはある理由があります。
理由と言うのは、特定の昆虫を呼び寄せるためです。
形や匂いを変え特定の昆虫を呼び寄せることで受粉を成功させる確率を上げていると考えられています。花をじっと観察していると花によって集まる昆虫の傾向に違いがあることが見られます。
例えば、先ほど紹介したキツリフネは、ラッパのような花の形をしていて、奥の細い箇所から蜜が出ます。そのため花に潜り込めるようなハナバチなどがよく訪れます。
また、イブキトラノオも花から納豆のような匂いを出し、その匂いに誘われて、ハエやハナアブなど糞に集まる昆虫がよく訪れます。
このように花には種類によって色々な昆虫が集まります。その中でも是非観察して欲しいオススメの昆虫がいます。
それは…
ハナアブです!
一見ハチのように見えますが、ハナアブと言う花に集まるアブの仲間です。
あまり聞き馴染みのない昆虫かもしれませんが、このハナアブ実はすごく面白い昆虫なんです!
ハナアブの仲間の多くは、毒針を持つハチの仲間に色や形似せることで、敵に毒を持っていると錯覚させることができると考えられています。
飛んでくると一見ハチのように見えて、ビックリするくらい本当に似ています。
さらにハナアブの中には色や形以外にも腹部を曲げて刺すフリをしたり、前足を頭の前に上げて止まり、ハチの触覚に見立てたりする種類もいて、その擬態の巧妙さには驚かされます。
どのようにしてそこまで巧みな擬態ができるようになったのか不思議でなりません。
花の多い時期になり、綺麗な花を見ているだけで楽しいですが、花と昆虫の関係や昆虫自体を見るのもすごく面白いです。花の受粉を助けている昆虫達にも是非目を向けてみてください。
今回歩いたコースはこちら
今回歩いた小田代原は、赤沼から出ている低公害バスで12分程で行くことができます。一周のコースタイムは1時間程で、木道が整備されており、バスで行きやすく、歩きやすいのでオススメのコースです。雨具や熱中症対策を忘れずにお越しください。
(しゅんか)
取材当日の様子を動画にしました。是非ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=ThPwjSZDQHA
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