日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2024.08.02
新・山の上からこんにちはvol.572

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は晴れ、気温は21℃です。(8:00時点)

※下記の情報は7月31日(水)時点のものです。

 

今回は竜頭滝臨時駐車場から中禅寺湖沿いを歩いて千手ヶ浜まで行ってきました。このコースは急斜面の場所が多く、道幅が狭いので湖側に落ちないよう注意が必要です。

 

このコースは、春にシロヤシオやトウゴクミツバツツジがたくさん咲き多くの方が訪れますが、お花が終わった後も

観察してみてほしいです!

特に、個人的に好きな木の一つであるシロヤシオはお花以外の魅力がたくさんあります。

葉のつき方が面白く、5枚の葉が一点から輪を描くようにつきお花みたいになるんです。

木の下に潜り込んで上を見上げると5枚の黄緑色のお花が一面に咲いているように見え、とても綺麗ですよ!

 

赤岩と呼ばれている崖を通り過ぎると、急だった斜面が、緩やかになり湖の岸まで行けるようになる場所があります。

地図上では栃窪、熊窪と表記されている場所です。

ここは景色がとても良いんです!

木々の緑が湖面に映っているからか、湖の色がエメラルドグリーンになっており、美しい湖を眺めながら木陰で涼しく

休憩することができます。また、地形が変わったからか、木の種類も前半の道に比べ少し変化していました。

 

前半の急斜面ではツツジ類が多かったのですが、栃窪周辺から先はミズナラやブナなど背の高い広葉樹がたくさん生えているように感じました。そんな森の中を歩いていくと足元に鮮やかな赤いキノコが生えているのを見つけました。

タマゴタケというキノコです。キノコには木の根とつながって水分や養分のやり取りをする「菌根菌」というグループがあり、タマゴタケはそのグループに含まれます。

(キノコから出ている白い糸は菌糸。)

はっきりと分かっていませんが、タマゴタケはミズナラ、ブナなどの広葉樹、モミやツガなどの針葉樹の森でよく見られるので、それらの木とつながっているのではと考えられています。

 

タマゴタケを発見した辺りにはミズナラがたくさん生えていたのでそのどれかと地中でつながっていたのかもしれません。

キノコと木のつながりを知った上で森を見てみると森に暮らす生き物同士のつながりの深さに驚かされ、自分の中の森の捉え方が一気に広がった感覚がして面白かったです!

 

これから秋にかけてキノコがどんどん増えてきます。倒木や生き物の死骸からではなく、地面から生えているキノコはタマゴタケと同様、周りの木とつながっているかもしれません。どの植物と、地中でどんなふうにつながっているのか想像しながら森の中を歩いてみてください。(渋)

 

動画も作ったのでよろしければご覧ください。

 

✦企画展情報✦

水の中からこんにちは!奥日光水辺の生きもの展

を開催中です。ぜひ、お越しください!