日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2024.08.16
新・山の上からこんにちはvol.574

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は雨、気温は19℃です。(8:00時点)

※下記の情報は8月14日(水)時点のものです。

 

今回はある植物を目当てに湯ノ湖を一周してきました。休みなしで歩くと山側で40分、国道側で30分の計1時間強の道のりです。

国道側は木道が整備されている箇所があり、道路もすぐそばにあるのでハイキング初心者の方でも安心して歩く事が出来ます。

一方山側では木の根っこが地面から飛び出ていたり、湖側が崖になっていたりする為、足元には注意が必要です。

山側の歩道をしばらく歩くと、山の斜面に木の根っこが露出して、たくさん窪みが出来ているところがありました。その窪みの中を覗いてみると、なにやら地面が緑色に光っています!

これが今回のお目当てのヒカリゴケです!自ら光っているわけではなく、暗い窪みの中に入ってきた僅かな光を反射して光って見えるそうです。奥日光の中でも湯元以上の標高の高いエリアに生育する比較的珍しい苔ですが、湯ノ湖畔の大きな岩の隙間や木の根元にできた窪み等を探すと発見できるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

目的は達成できたので視野を広げて上の方も見てみると、木々の緑の中に、赤く染まっている箇所があることに気が付きました。

暑さや雨が少なく水分が不足すると、葉から出ていく水分を減らす為、自ら葉を落とすことがあるそうです。その為に一部の葉へ水分や栄養を送るのを辞めた結果、秋と同じように葉が色付いたというわけなんです。ふと見た景色の中に発見した、ちょっとした疑問に、山の状態を知るヒントが隠されていたとは驚きでした。

 

まだ夏らしい発見がある今の奥日光ですが、湖畔の草地からは、夏も終盤に向かっている事を感じる「音」が聞こえてきたんです。

それはヒメギスの仲間の鳴き声です。奥日光では夏の盛りから鳴き始め、秋の入口までその声を聴くことが出来ます。

 

自然は音だけで感じ取れるものから目に入る景色からわかるもの、また、ヒカリゴケのように自分から探さないと気づけないもの等、様々です。なので、なるべく多くの感覚を使って自然を感じ・見つける事で、ハイキングを何倍も楽しいものにしましょう!(鈴)

 

 

 

【夏の企画展情報】

日光自然博物館では、【奥日光 水辺の生き物展】を開催中です。水の中に棲む魚や水生昆虫、また、周辺に棲むカエルやサンショウウオなど、生体の展示が盛沢山!その他にも環境を再現したジオラマや生き物の解説パネルがあるボリューム満点の企画展になっています。見学後に、簡単なアンケートにご協力いただいた方限定で、水辺の生き物のポストカードをプレゼントしております。この機会にぜひ、日光自然博物館にお越しください!

ポストカードイメージ↓↓ ラインナップ(モリアオガエル、ツチガエル、アズマヒキガエル、クロサンショウウオ、ハコネサンショウウオ)