奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の博物館周辺の天気はくもり、気温は9℃。(8:00時点)※下記の情報は11月12日(火)時点のものです。
今回は小田代原と戦場ヶ原に行ってきました。赤沼から低公害バスに乗って小田代原で降りた後、戦場ヶ原を経由して赤沼に歩いて戻る少し楽をしつつも良いところを巡る2時間ほどのコースです。
青マーカー部が低公害バス、赤マーカー部が歩いたコースになります。
小田代原へは低公害バスで15分ほどで行くことができます。
取材日の赤沼の気温は9時時点で2℃、駐車場の水たまりには氷が張っていました!
この時期は木道上に霜が降りていたり、溶けた氷によるぬかるみで滑りやすかったりします。防寒対策に加えて足元にもご注意ください。
まず、小田代原は湿原の植物たちの色があせたことに加えて、木々の落葉も進み、もの寂しい雰囲気となっていました。
ただ、そこに深みを増してきた空の青さが加わり、とても趣がありました。
この文章だけ書いてしまうとなんだか寂しそうに感じてしまう方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
葉が落ちたからこそ目立ってきたものもあるんですよ!
湿原の奥に生えている低木がほんのり赤く染まっていました。
見えていたものはリンゴの仲間のズミの赤い実でした!
今年は多くの木が赤く染まるほどに実の成りが良かったんです。葉が落ちたことでその実がより顕わになり、枯れ景色の湿原に彩を添えていました。
私は奥日光に来て三年目ですが、こんなに多くのズミが成っている光景は初めてでした。
ただし、ズミの実はこれから季節が進むにつれて黒ずんだり、冬鳥などが食べることで数が減っていきます。この光景を楽しめる期間は長くないのでお早めに!
そして、戦場ヶ原では小田代原同様、枯れ色の雰囲気が強かったです。
しかし、視界が開け男体山を望める場所では素晴らしい景色に出会えました。
それがこちらの周辺の山々の斜面にあるカラマツ林が黄葉し、黄金色に染まった景色です。
この写真を見て戦場ヶ原より高い標高の場所で黄葉が残っているというのを不思議に思う方もいるかもしれませんが、
戦場ヶ原は開けた地形となっており、放射冷却によって周辺より冷え込みが強くなります。その結果、湿原内とより高いところの黄葉の進み具合が逆転し、このような景色を見ることができるのです。
木々の落葉が進み、淋しい雰囲気となってきた湿原ですが、葉が落ちたことにより今までとはまた違った雰囲気を楽しめます。さらに、自然は年ごとに変化があります。その年ならではの良さを感じられると自然を見るのがより楽しくなりますよ!(福)
おしらせ
今回のコースで紹介している低公害バスの運行は11月いっぱいとなっております。
ぜひお早めに!
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