日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

    2025.01.10
    新・山の上からこんにちは!vol.594

    奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

     

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    今朝の天気は雪、気温は-7℃です。(8:00時点)

    下記の情報は7日(火)のものです。冬の奥日光の道路状況は常に変化しますので、お越しになる際はその都度事前にご確認ください。

     

    今回は庵滝の氷瀑を見に行ってきました。近年は訪れる方が多く、情報も多く得られるので、手軽なイメージを持たれてしまいがちですが、そうではありません。標高1600m前後の雪山の中で、高低差のある場所や川を渡るシーンもある道を往復約7時間歩く事になる為、相応の体力と装備が求められます。

    今回は前日に降ったみぞれによって、駐車場や道路の広範囲が凍結し、遊歩道上も踏み固められた雪が凍っている状況だったので、チェーンスパイクを装着し、まずは庵滝への入口がある弓張峠を目指します。

     

    歩き始めてすぐの、赤沼分岐からすぐ近くの小川の幅が、いつもより狭くなっているように感じました。

    よく見ると、川岸のがけから小川に向かって大きな霜柱が、15cm近くせり出すように出来ていました。その上に雪が積もったことで川幅が狭く見えていたようです。

    途中、冬景色となった小田代原の遊歩道へ寄り道し絶景を満喫!

    赤沼から約1時間半で弓張峠に到着しました。ここから先は積雪が50cm前後あり、雪に足を取られてしまうことも増えてきたので、深い雪の上でも歩きやすいスノーシューに履き替えました。状況に応じて装備を変えるなどの準備と判断が大切です。

    弓張峠から30分ほど進んだ辺りからは、雪上の踏み跡が分岐する箇所もあり、間違った道を辿ると、雪崩が起きやすい急斜面の近くなど、危険箇所に踏み入ってしまうこともあるので、注意しましょう。

     

    歩き始めから約3時間半、道は次第に深い谷の中に入っていき、谷の奥の方に水色の大きな氷柱が見えてきました。

    ついに庵滝に到着!近づくにつれ迫力を増す氷瀑は、透き通った青がとても美しく、その範囲は最大で高さ約20m、幅30mほどもあり、何度見ても圧倒される景色です。ヘルメットを着用して滝のすぐ下まで行く事もできますが、2日続けて気温が高めで、氷が崩落する恐れがあったので、滝の下へ行くのはやめておきました。

     

    残念ではありましたが、自然アクティビティでは、その日の天気・その場の状況によって様々な対応が求められ、安全を確保したうえで楽しむ事が大前提です。初めて訪れる方はまずツアーに参加するなどして、安全第一で奥日光の冬の自然を満喫していただきたいです。(鈴)