日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2025.04.11
新・山の上からこんにちはvol.607

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

今朝の天気は晴れ、気温 ℃。(8:00時点)

※下記の情報は4月9日(水)時点のものです。

 

最近の奥日光は、晴れの日が多いですが、夜になるとポツポツと雨が降ったりと天気が安定しない春らしい日が続いています。

 

今回は華厳滝の近くにある日光自然博物館からいろは坂を歩いて下ってきました。

現在は下り専用の第一いろは坂と上り専用の第2いろは坂の二つに分かれていますが、昔は第一いろは坂の1つだけでした。

元々は、修験者が開拓した山道で、その後、時代の変化にあわせて整備がされてきました。

※赤矢印が博物館。赤い線が今回歩いたルートです。

今回は由緒ある第一いろは坂を下って、季節の変化を探して見ました。

 

ちなみに第一いろは坂はこのような形で道が走っています。※第二いろは坂の明知平から撮影したものです

下り口にあたる華厳滝周辺から終点の馬返しまでは6.5㎞程ですが、高低差は400mもあります。急峻な場所につづら折りになって道があるため、標高による季節の進み具合が短い距離で異なり、春先や季節の変わり目なら下るだけで風景や自然の変化を楽しめます。

 

スタート地点の1300m付近では、まだ道端に残雪があり、木々の新芽もなく、春真っ先に咲くマンサクの花や白い毛で覆われたヤナギの芽等が見られる程度で、まだまだ春というには遠い景色が広がっていました。

 

季節の変化を求めて、下り続けていると1100m付近で、景色に色味が増えてきました。黄色のマンサクやダンコウバイの花が寂しい景色に色を添えます。(写真はダンコウバイの花です)

黄色の花に混ざって赤いボンボンのような物が沢山付いている不思議な木が目立つようになってきました。

 

赤いボンボンと言うのはこちら・・・

正体はフサザクラと言う植物の花でした。

春先に葉よりも先に赤い房状の花を沢山咲かせます。色の乏しい景色の中で赤く可愛らしい花を沢山付けた姿はとても癒されます。

今回は姿や色以外にもフサザクラ自体の変化を楽しみながら歩くことができました。

 

このフサザクラ、いろは坂に数多く生えており、標高によって花の状態が変わっていました。

1100m付近では、完全に開ききっていない状態の花が多く、1000m付近になると開ききっていて満開の状態になり、終点の馬返し付近では花が終わりに近い状態でした。400mもの標高差を短い距離で歩けたことで、1つの種類でも開花の変化を見て楽しむことができました。

※上の写真は標高1100m付近、下は1000m付近の状態です

 

花以外にも風景やいろは坂の歴史に関係のある物が見られるのもこの場所の魅力です。

オススメは途中にある剣ヶ峰です。

般若滝と一緒に男体山を楽しめる絶景が広がっています。車も2~3台止められるスペースもあるので、運転の休憩がてら絶景を堪能できます。

 

この場所は絶景以外にもいろは坂の建築に携わった「小平重吉」の記念碑なども見ることができます。いろは坂の自然だけでなく歴史も知って楽しめるはお得ですね。

※剣ヶ峰に車を停めるとき、出るときは、周りの車に十分にお気を付けください。

 

自然や歴史を楽しみながら歩いているとゴール地点の馬返しに到着!

 

馬返し周辺では、春らしい雰囲気もしっかりと感じることができました。

春らしい雰囲気はこちら

ゴール地点を流れる大谷川の風景です。

河原ではミソサザイと言う鳥が綺麗な声で囀っていました。春になると渓流沿いの岩や枝先に止まり、盛んに鳴きます。この囀りが周辺の芽吹きつつある木々やヤナギの花と相まってより春らしい雰囲気を醸し出していました。

いろは坂を下って疲れた体に音と共に春の風景が染み渡り癒されました。

 

中禅寺湖周辺はまだ春には遠そうですが、下から徐々に季節が進みつつある様子を見て、春の訪れがより一層楽しみになってきました。

このような変化はお車の中からでも十分に楽しめるのでお越しになる際は運転に気を付けて注目してみてください。(しゅんか)

 

↓今回の動画はこちら↓

 

お知らせ

日光自然博物館では、4月19日より春の企画展「奥日光の野鳥展」を開催予定です。

詳しくはこちら